第五章
[8]前話
好美は堀との交際をはじめた、その交際は広島弁丸出しであったが純愛であった。そして堀もそんな好美を笑顔で受け入れた。
その好美にだ、碧は寮で言った。
「幸せになるんじゃ」
「はい、そうなります」
「わらわもそうなるしのう」
「そういえば先輩芥川さんと」
「婿殿に迎えることにしたけえ」
好美ににんまりと笑って答えた。
「お互い大学を卒業したらじゃ」
「ご結婚ですか」
「そして初夜からしごうちゃる」
こう言うのだった。
「思う存分じゃ」
「そうされますか」
「床の中でのう」
「あの、先輩そうした経験は」
「接吻どころか手をつないだこともじゃ」
それもというのだ。
「ないけえ」
「男の人とですね」
「そうじゃ、しかし知識はあるけえ」
それでというのだ。
「それでじゃ」
「式を挙げたらですか」
「白無垢からじゃ」
花嫁衣裳からというのだ。
「そうするけえ」
「あの、先輩」
好美はにんまりと笑う碧にかなり引いた顔で返した。
「そこまで積極的なのは」
「いかんかのう」
「そう思いますけえ」
「いやいや、おなごはじゃ」
「積極的にですか」
「いくものじゃけえ」
だからだというのだ。
「初夜はな」
「そうですか、しかしわしは」
「こんなはか」
「そうしたことは」
「ははは、そこはそれぞれじゃのう」
「広島女でも」
「そうじゃのう、けれどわらわも心は乙女じゃけえ」
満面の笑みでの言葉だった。
「相手は婿殿だけじゃ」
「そうだといいですがのう」
好美は広島弁で応えた、そこから二人はそれぞれの恋愛観を語り合った。二人共広島弁であったがそれでも語るのは乙女の純愛であった。
しごうちゃる 完
2021・1・17
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