第一章
[2]次話
叺親父
この時彼等は暖かい部屋の中で炬燵に入って飲んでいた、それで色々と話していた。
「今日も寒いな」
「全くだな」
「青森のこの寒さときたら」
「今年も変わらないな」
「というかね」
そのうちの一人青山瑞希が言った、黒髪をロングにしていて切れ長の目と紅の小さな唇を持っている。
「私達高校生で飲んでるけれどね」
「気にしない気にしない」
瑞希の幼馴染みの河竹慎吾が言う、小さな細い目で髪の毛は黒く短い。背は一六五位だ。
「ここで飲んで誰も言わないならいいから」
「それはそうだけれどね」
「寒いからいいじゃない」
「寒いのが悪いんだよ」
大柄で鱈子唇の青年が言ってきた、名前を佐藤金吾という。やはり瑞希の幼馴染みである。
「それがな」
「そうそう、青森のこの寒さがね」
河竹は佐藤のその言葉に応えた。
「何といってもね」
「悪いんだよ」
「そうだよね」
「俺達が酒飲むのもな」
「高校生でもね」
「テスト終わったしね」
今度は茶色の髪の毛をポニーテールにした一七〇位の背の少女が言ってきた、スタイルは瑞希よりもいい。やはり彼女の幼馴染みで名前を徳竹麻子という。四人共同じ高校でしかも学年も同じである。
「しかも外は大雪で遊ぶ場所もない」
「じゃあ何するかってな」
「家でプレステかスマホのゲームか」
「これだよ」
佐藤は麻子に応えつつ飲んだ。
「酒だよ酒」
「炬燵に入ってね」
「厚着してな」
見れば四人共厚着だ。
「漬物とか蜜柑肴に酒だよ」
「そうよね」
「それであったまるんだよ」
「それしかないわね」
「ったく、テスト終わったのにな」
佐藤は飲みつつ管を巻いた。
「大雪ってな」
「青森じゃいつもだけれどね」
瑞希は蜜柑の皮を剥きつつぼやいた。
「本当に」
「この青森市だってね」
麻子は苦笑いで応えた。
「遊ぶ場所に行こうと思っても」
「この雪じゃ行くの不便だしね」
「こうして飲むしかないわね」
「まあそれ理由にして飲んでるって言った方がいいけれど」
「気にしない気にしない」
河竹は飲みつつ二人の女の子に返した。
「ここは先生もいないし怒る人もいないしね」
「飲めばいいってことだな」
「そうそう」
河竹は佐藤に返した。
「今日は晩ご飯まで飲もう」
「そうするか」
「あのね、あんた達ね」
ここでだ、四人に中年の女が言ってきた。今四人は佐藤の家で飲んでいるが佐藤の母の十和子が言ってきたのだ。
「今更飲むなとは言わないけれど」
「じゃあ何て言うんだよ」
「あまりそうして飲んで管巻いてるとね」
悪い意味で酔っ払いらしくしていると、というのだ。
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