第二章
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「毎日九時に投稿している」
「時間決めているんだな」
「うむ、そうしている」
「成程な」
「それで日記にだ」
美里はあらためて言ってきた。
「書いてあってだ」
「それでか」
「デートの回数、それぞれ行った場所買ったものや食べたものもだ」
「書いてあるんだな」
「そうだ」
「お前公務員になったら成功するな」
八幡はここまで聞いて述べた。
「冗談抜きで目指してみたらどうだ」
「私達が住んでいる横浜市のか」
「何処でもいいさ、その性格なら成功するさ」
八幡は太鼓判さえ押した。
「だからな」
「それでなのか」
「公務員の勉強もしてな」
そしてというのだ。
「しっかりと」
「学校の勉強の様にだな」
「そっちもやっぱりあれだろ」
「時間を決めてな」
そうしてというのだ。
「毎日行っている」
「そうだよな」
「うむ、学業は疎かにしない」
この言葉通り沙織は成績優秀だ。進学校でも学園トップクラスで先生から国立大学にも推薦を言われる程だ。
「決してな」
「それじゃあな」
「将来はか」
「ああ、公務員になればいいな」
「そちらに向いているか」
「絶対にな、それでデートだけれどな」
「今度十二度目だな」
「何処行く?」
八幡はややだべった態度で沙織に問うた。
「それで」
「私は何処でもいいが」
「何処でもか」
「八幡君が行きたい場所にな」
「なら怪しい場所でもいいのかよ」
沙織の言葉を受けてだった。八幡はこう返した。
「それなら」
「いかがわしい場所は遠慮する」
沙織は真面目に返した。
「そうした場所は」
「だよな、俺も言わないからな」
「そうした場所に行くことはか」
「冗談でもな」
「かく言う君も真面目か」
「真面目っていうかそういう柄じゃないんだよ」
これが八幡の返事だった。
「だから言わないんだよ」
「そうなのか」
「ああ、そうしたことはな」
「では怪しい場所はか」
「外してな」
そしてというのだ。
「やっていこうな」
「では何処に行く」
「映画館行ったか?」
八幡は沙織に問い返した。
「それで」
「三度目の時だったな、洋画だった」
「ああ、確か理由なき反抗だったな」
「ジェームス=ディーンがよかったな」
「噂通りな、じゃあ最近寂れてるかも知れないけれどな」
こう前置きしてだ、八幡は話した。
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