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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
血盟騎士団の誕生
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とは自負しているが、〈悪のビーター〉ことキリトの悪名を背負ってまで、ギルドに誘うメリットが分からない。


「内容は分かっていると思うケド、ギルドへの勧誘だナ」
「またか・・・・。前に断ったと思うけどな?」
「おいらに文句を言うなヨ。」

それもそうだ。アルゴは頼まれたメッセージを伝えに来ているだけなのだから。

「で? 内容は?」
「・・・・ギルド加盟への興味があるのナラ、明日の午前9時にこの町の南東にある広場に来て欲しイ・・・・だってサ」
「・・・・分かった」

行かないけどな、と内心付け加える。
あの男が作るギルドに興味がないわけではないが、生憎と〈風林火山〉からの誘いを断っている身で他のギルドに入る気などにはなれない。
それにキリトは個人的にあの男が少し苦手だ。

「わたしの他にも何人くらい声が掛かってるんだ?」
「おいらを経由して勧誘されているのは10人くらいかナ。もちろん、アス坊も含まれてるゾ」
「・・・・・何でアスカだけ教えるんだ?」

クラインといいアルゴといい、アス坊、もといアスカのことを聞いたり、教えてくるのは何故なのか。それほど行動を共にしていただろうか、とキリトは過去を振り返る。

「まあ、アスカも行かないだろうけどなー」
「ん? そうなのカ? 結構興味あるみたいだったゾ」
「・・・・マジで?」
「マジマジだヨ。明日の招集にも応じるらしイ」

何気なく言うアルゴにキリトは驚く。
あれほどギルド勧誘を、有無を言わさずばっさりと断り続けてきていたアスカが興味を示しているのか、と。
一体全体、ヒースクリフのどこにアスカの琴線が触れたのかは分からないが、アスカがギルドには入る可能性があるということだ。
第1層でアスカにギルドに入ることを勧めたキリトは、アスカがギルドに入ろうとしていることを嬉しく思う・・・・はずなのに、

「複雑な顔してるナ」

キリトは自分の内心を当てられて体を震わせる。
そう、複雑なのだ。
喜ぶべき事のはずなのに、何故かそれ以外の感情も生まれてしまっている。
アスカがギルドに入るべきだと思っているのは偽らざる本音だ。
第1層以降は情報収集などにも熱心になったアスカは攻略組においてもトップクラスのレベルを保持しており、〈リニアー〉から見て取れた才能も確実に芽を伸ばしている。
大手ギルドのメンバーとして、攻略組だけでなく全プレイヤーの希望となることが出来る、とキリトは確信している。

だが、キリトとパーティーを組むことは無くなるだろう。
そう考えると、何故か少しだけ胸が痛む。
ボスを相手に、肩を並べて戦ったことを思い出す。
第2層では共に鍛冶屋プレイヤーの詐欺を協力して解き明かし、他の層でも必要なときはお互いの希望するクエストを手伝ったり
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