アインクラッド編
血盟騎士団の誕生
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アルゴにタダで何でも1つ情報を教えてやると言われて、忍び装束のプレイヤー達との一悶着があった後、エクストラスキルの情報もご一緒に教えてもらっている。
エクストラスキル〈体術〉を手に入れるために超絶的硬度の岩を3日掛けてたたき割った苦い記憶を思い出しながら、キリトは続ける。
「あんたが宿屋まで来るなんてめずらしいな」
「まあナ。早急に伝えて欲しいって頼まれたからナ」
アルゴの発言で、キリトは彼女がここに何をしに来たのか理解する。
アルゴは情報屋だけでなく、極上げしている敏捷値(レベルもかなり高いので、キリトよりも速い)と〈隠蔽スキル〉などの隠密性を買われて、伝言屋みたいなこともしている。
つまり、彼女は誰かからのメッセージをキリトに伝えるためにここまでやってきたのだ。
「相手は?」
キリトはだいたい予想が付いているが、一応訊ねる。
「まあ、キーちゃんも予想は付いていると思うけど・・・ヒースクリフだよ」
その名前を聞いてキリトは隠そうとせずに盛大に溜息をつく。
ヒースクリフ。
キリトやアスカと同じく攻略組の中でも数少ないソロプレイヤーの1人であり、クライン率いる〈風林火山〉と同じく第15層くらいからボス戦にも参加している男だ。
性格は寡黙で冷静沈着。ぶっちゃけて言えば何考えてるか分からない。
キリトと同じ片手剣使いだが、少し大きめの盾を持っている。
実力は攻略組にてトップクラス。
レベルが極端に高いわけでも、レアドロップの高性能な武器――俗に言う魔剣――や防具を装備しているわけではない。
なんというか・・・・とにかくバランスが良い。
まるで教科書通りに動いているかのよう。
現実世界のスポーツである剣道などとは違い、この世界の剣士に決まった型や構えなど存在しない。各々、我流だ。
だが、ヒースクリフの構え、動きを見ていると、盾持ち片手剣プレイヤーの理想の姿かのように思える。
完成度が高く、隙がない。
特に盾による防御は圧巻の一言で、下手なタンクプレイヤーより堅い。
第25層ボスの攻撃すら止めてみせるほどであり、あの戦いで唯一、HPバーがイエローゾーンに落ちなかった男だ。
当然、アスカにも負けぬほどの回数ギルドに誘われているはずだが、彼がどこかのギルドに入ることはついぞなく、酔狂なことにソロプレイヤーを続ける気なのか、とキリトは思っていた。
しかし、第25層攻略後、ヒースクリフは動き出した。
驚いたことに、ギルドを作りはじめたのだ。
いつもの態度から、表舞台に立つことを避けるような人種であると思っていたので予想外だったが、キリトにとってなお一層の予想外な案件は、自分がこの男にギルドへと誘われている今の状況である。
キリトは自分のレベルが攻略組の中でもかなり高い方であるこ
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