暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第69話:黒いガングニール
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いアーティストに巡り会えた事を光栄に思う」
「おいおい、アタシを除け者にするなよ。アタシはまだマリアと組んでないんだよ?」
「フフッ……私達が世界に伝えていかなきゃね。歌には力があるって事を」
「それは、世界を変えていける力だ」




「そしてもう一つ……」

 マリアが突然雰囲気を変えた。その瞬間、奏は先程マリアが不敵な笑みを浮かべた際に感じた違和感と言うか危機感が強くなるのを感じた。

 彼女は何かをするつもりだ。そう思った次の瞬間、会場のステージを囲むように大量のノイズが現れた。

「なっ!?」
「これはッ!?」

 突然のノイズの出現に奏と翼は言葉を失い、観客達は悲鳴を上げパニックを起こす。

 ともすれば二年前の惨劇の繰り返しになりかねないこの状況。マズいと思い何か行動に起こそうとする奏だったが、それよりも先にマリアが声を上げた。

「狼狽えるな…………狼狽えるなッ!!」

 マイクを通したマリアの毅然とした声が響き渡り、会場が一瞬で静まり返る。

 人々の動きは止まり、そして奏と翼は気付いた。ノイズもまた動きを止めている事を。現れたら人を無差別に襲う筈のノイズが、である。

 それが意味しているのは、ただ一つ――――――

「大人しくしている限りは、ノイズに手出しはさせないわ」
「マリア……」
「お前――――!?」

 奏と翼は確信した。このノイズはマリアか、この場に居ない彼女の仲間が操っている。

 ならば敵対する事に躊躇は無いと、翼が襟を外して隠していた天羽々斬に手を伸ばそうとする。
 が、それを奏が手で制した。

「待て翼、今は駄目だ」
「そうよ、逸らないの。あなた達はともかくとして、オーディエンス達がノイズからの攻撃を防げると思って?」

 ここで戦闘を始めては、ノイズに対して無力な観客達が被害を受ける。それは火薬庫にマッチの火を放り込むも同然、今度こそパニックは止まらず二年前の悲劇が再現されてしまう。

 何より、今この会場の様子は世界中に中継されている。ここで翼の正体がシンフォギア装者である事を明かす事は、色々な意味で悪手でしかなかった。

 マリアからも同様の事を言われ、思わず翼は歯噛みする。奏はそんな彼女が早まらないようにと警戒していた。

「甘く見ないでもらいたい。そうとでも言えば、私が鞘走る事を躊躇うとでも思ったか!」
「落ち着け翼。颯人と緒川さんがきっと何とかしてくれる。それまで耐えるんだ」

 奏の言葉に翼は一応の落ち着きを取り戻す。そうだ、この状況をあの2人が黙って見ている筈がない。きっと何か対処してくれている筈だ。

「翼……あなたのそう言う所、嫌いじゃないわ。あなたの様に、誰もが誰かを守る為に戦えたら、世界はもう
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ