暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第69話:黒いガングニール
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事を知る日本人も多くなってきた。

 二課の一員として守られている事だし、颯人はそろそろメディア露出を視野に入れ始めていた。

 閑話休題。

「アメリカでも活動していたと聞いたんですが、その頃にマリアさんの名前は聞かなかったんですか?」

 流石にマリアの歌手としての台頭が唐突過ぎたので、慎次は違和感を感じ何か知っていそうな颯人に問い掛けた。まぁ彼の言いたい事も分かる。全く音沙汰の無かった女性が突然ツヴァイウィングに並ぶアーティストとして名を馳せたのだから。

 慎次に問い掛けられた颯人は、魔法で缶コーヒーを二つ取り出すと一つを慎次に手渡しながら答えた。

「それがさぁ……俺も全然聞いた事なかったんだよ。だから最初マリアって名前の歌手が奏達とコラボするって聞いた時は、俺も流石に「誰これ?」ってなったもんさ」
「そうでしたか。颯人君も聞いたことが無かったんですね」
「んでもま、あんまり不思議な事でもない気はするけど。何しろアメリカは良くも悪くも実力主義だから、能力を認められる機会にさえ恵まれればそれまで無名だった奴がいきなり有名になってもおかしくはない」

 例えホームレスの少年であっても、大勢の観衆の前で歌う機会さえ得る事が出来ればトップアーティストへの道が開けるのがアメリカと言う環境だ。アメリカでの活動期間も長かった颯人はそれをよく知っている。

 だからマリアに関しても、何らかの事情で大衆に認められる機会を得られたラッキーレディなのだろうと言うのが颯人の見解であった。

 そうこうしていると、マリアと翼の楽曲が終了したのか観客が大きな歓声を上げた。盛り上がる会場に、2人は会話を止めステージの方に目を向ける。

「ありがとう、皆! 私は何時も皆から、沢山の勇気を貰っている! だから今日は、私の歌を聴いてくれる人達に、少しでも勇気を分けて上げられたらと思っている!」
「私の歌を全部、世界中にくれてあげる! 振り返らない、全力で駆け抜ける! 付いてこれる奴だけ付いて来いッ!!」

 観客に向けてのマリアの言葉に、観客は再び歓声を上げた。

 そのマリアに、次に彼女と歌う予定の奏が挑戦的な笑みを浮かべながら近づいていく。

「いいねいいねぇ、盛り上がって来たねぇ。だけど次はアタシの番だ。あんたも、勿論観客の皆もまだまだ満足しちゃいないだろ? なぁ皆!」

 奏の言葉に観客が歓声で答えた。彼らの声に、マリアは不敵な笑みを浮かべてみせる。

 その笑みに、奏が一瞬眉をピクリと動かした。

「そうね。だけど、少し話をさせて貰うわ」

「今日のライブに参加できた事を感謝している。そして、この大舞台に日本のトップアーティスト、ツヴァイウィングの2人とユニットを組み、歌えた事を」
「私も、素晴らし
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