女心
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
<ジパング>
「よう、我が継息子!大人になった感想はどうだ!」
翌日、剣の稽古の為にリュカの元へ訪れるウルフ。
「な、何を…」
いきなり核心を突くリュカの発言に、慌てふためく少年…
しかしリュカは、それ以上その事には触れず楽しそうにニヤケるだけだった…
マリーがぎこちない歩き方で現れても、リュカは何も言わない…
事態を理解してないティミーが、マリーを心配し話しかけるが、理解しているリュカは何も言わない。
そんなリュカを見て、他の皆が事態を察し、この件には誰も触れなくなった…ティミー以外は。
《ティミーさんて察しが悪いな…真面目を通り越して、バカに見えてきた!》
しつこくマリーを気遣う彼を見て、さすがのウルフも苛ついた様だ。
「もう、お兄様はしつこいです!デリカシーがなさ過ぎます!」
ついにはマリーが切れてしまい、兄の前から逃げて行く。
ウルフはリュカに目で訴えた…リュカも無言で頷きウルフの行動に許可を出す。
「マリー、待って!」
剣の稽古を後回しにし、急いでマリーの後を追うウルフ…
一晩で『マリーちゃん』から『マリー』へ、格上げされてた事に気付いたのは、彼以外全員だ。
時間が空いてしまったリュカは、デリカシーのない息子に色々教える為、ティミーを側へ呼び寄せる。
「お前、女心が解らなすぎ!致命的だよ、それ…」
「はぁ?女心が関係あるんですか!?だってマリー、歩き方が変だったんですよ!怪我をしてるのかもしれません!」
「うん、間違いなくどっかが痛いんだろうね…」
「父さんは分かってて放ってるんですか!?」
「マリーが言ってたろ『何でもありません』って…」
「何でもないわけ無いじゃ無いですか!痛がってるんなら怪我をしてるのかもしれませんよ!」
皆が絶望的な目でティミーを見つめる…
ティミーはそれに気付きもしない。
「あのね…マリーの言う『何でもない』は、『別に気にしないで』って意味なの!何で『気にしないで』って言ってるかと言うとね、説明したく無いから…知られたく無いからなの!」
「………知られたくない?何故ですか!?怪我をしてるのに、理由を知られたくないって何故ですか!?」
「リュカ…息子の育て方、間違えたかもね…」
「な!?母さんまで…」
「ティミー…よく聞けティミー。例えば、お前がズボンのチャックに○○○を挟んだとしよう…想像してみろ、凄く痛いよな!」
「は、はい…」
恥ずかしい想像に、アルルの視線が気になるらしく、チラッと彼女を見て顔を赤くするティミー。
「そう…相当痛い。お前は思わず蹲るんだ。そこへアルルが現れて、心配をしてくれる…『どうしたの大丈夫?』ってね。そしたらお前は事態を説明するのか?○○○をアルルに見せて『チャックに挟んじゃった
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ