謎の戦士
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乱入者の紫の右手が丸く光る。
「はあっ!」
飛び上がった彼の腕より、無数の紫の拳が放たれる。
それは、裏路地という狭い立地では、逃げ場のない流星群となった。
「危ない! 太阿之剣!」
「勇者パンチ!」
『アルティメット ルパン スラッシュ』
可奈美、友奈、ルパンの三人は、それぞれの必殺技を放ち、紫の拳を相殺する。
可奈美はそのまま建物を足場に、空中の乱入者へ接近した。
「せやっ!」
降り降ろした千鳥を、乱入者は両腕を交差させて防御。そのまま地面に打ち落とす。
「やった! 友奈ちゃん!」
「うん!」
地面に落ちた乱入者へ、友奈と怪盗が接近戦を挑んだ。
友奈の格闘技が、乱入者を襲う。だが、彼もまた同じように格闘技で友奈を迎え撃った。
「っ!」
着地した可奈美は、彼の技能に目を疑った。
友奈の格闘技は、決して劣ったものではない。だが、乱入者の格闘技もまた、友奈に追随、否。上回っていた。
「このっ!」
友奈の拳が、乱入者の拳と正面衝突する。周囲の空気を大きく震わせるが、渦中の二人は、さらに戦いを続ける。
乱入者の放った拳を、友奈は次は受け止め、掴んだ。そのまま一本背負いで投げ飛ばすが、乱入者は難なく着地した。
「嘘!?」
驚く友奈への返事は、彼の蹴りだった。全身を縦回転させる蹴り上げにより、友奈はノックアウト。トドメの回転蹴りで、友奈は壁に激突する。
「なるほど。強い。が、俺を破ったものがさらに盗まれるのは、俺の美学に反する。俺も相手してもらおうか」
ルパンは、ルパンガンナーの刃を振るう。
数回の斬撃を避けた乱入者は、左手を紫の右手に突っ込む。
すると、そこから今度は大剣が出現した。どうやって取り出したのか、その剣を両手で持ち、数回の打ち合いの後、ルパンを切り伏せた。
「すごい……あの剣の動き、見たことない……!」
これまで無数の剣を見てきた可奈美にとって、どの動作をとっても始めて見る動き。
「戦ってみたい……!」
ルパンにトドメを刺そうとする乱入者の前に割り込んだ可奈美は、千鳥を構えた。
「……さあ、来て!」
「……」
彼の狙いがルパンから可奈美に変わる。彼の視線から感じられる殺気が可奈美の肌を刺す。
「私、衛藤可奈美! あなたは何て言うの?」
「……」
可奈美の声に乱入者は反応せず、剣を振るう。
千鳥と乱入者の剣のぶつかり合い。金属同士の重い音が響き渡った。
「っ……重い……」
千鳥を伝い、腕が痺れる。乱入者はそのまま流れるような剣戟で可奈美を攻め立てる。
「そして、何より……強い!」
思わずにっと笑顔にな
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