謎の戦士
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引き戻される。
「もう一度言う。オーパーツを渡せ」
「うっがあああああああ!」
腕の骨が軋む。だが、可奈美はそれでも右手を伸ばし続けた。
「渡さない……! 友達の、大切な人の大切なものだから……!」
「……なぜだ?」
乱入者は可奈美の腕から足を離す。だが、千鳥を掴むよりも先に、彼が可奈美の襟首をつかみ上げた。
「うっ……」
「お前は何も苦しむこともない。なぜ誰かのためにそこまで傷つく?」
「そんなの、当たり前……じゃない……!」
「……」
すると可奈美は、投げ捨てられる。より千鳥より離れ、もう可奈美は戦えない状態になってしまった。
「目障りなんだよ……そういう、他人のために戦う奴が……」
彼は再び剣を出現させ、生身の可奈美に向ける。
「最後の忠告だ。オーパーツを渡せ」
「……っ!」
可奈美は何も答えず、ただ乱入者を睨む。
それを否定と受け取った乱入者は、その剣を生身の可奈美に振り降ろし、
「待ちたまえ」
金色の刃がそれを受け止める。
「これは俺と彼女たちの勝負。後から入ってきた君の勝利を、俺は許すことはできない」
ルパンが、乱入者の攻撃から可奈美を救ったのだった。彼はそのまま、その赤い瞳で乱入者を睨んでいる。
「失せろ。処刑人」
「そうはいかない。今の彼女たちを傷つけることは、俺のプライドが許さない」
「……消えろ」
乱入者の剣が、完全にルパンを敵とみなした。彼に振り降ろされた刃は、フィルムの壁となったルパンを斬り裂いた。
「残念。それは残像だ」
頭上からの声。可奈美が見上げれば、ルパンが乱入者の頭上でルパンブレードを振り上げている。
当然乱入者も剣で防御しようとするが間に合わず、その金色の刃は乱入者を斬り裂いた。
「ぐっ……」
「大怪盗、アルティメットルパン」
彼は、右手に手裏剣を見せる。
いつのまに盗られたのか、可奈美は自分の体を確認する。リゼの家のものが無くなっていた。
「一瞬ではあるが、三度目の生だ。楽しませてくれたこの世界のために、これは俺が処分しよう」
「貴様、それが何か知っているのか?」
「知っているとも。これは破滅へのカギの一片」
ルパンは手裏剣を掲げながら告げた。
「これをはじめとする、三つの石が揃った時、この世界の悪夢が蘇る」
「……」
「悪夢?」
可奈美は静かに二人を見守っていた。
肩を震わせたルパンは、ルパンガンナーの銃口部分を押した。
『アルティメット ルパン スラッシュ』
すると、ルパンブレードの刃が金色の輝きを帯びていく。それは時間とともにどんどん増幅し、やがて金の光となった。
「いかがかな? マスター
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