謎の戦士
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る。
剣撃全てを受け止めながら、可奈美はどんどん顔が緩んでいく。
「すごい……! すごい! こんな剣もあるんだ! ねえ、君どこの流派?」
だが、乱入者はそれには答えない。無言のまま、剣撃を放つ。
やがて、剣を受け止めるだけでは、可奈美は我慢できなくなってきた。
「私の剣、この人に見せたい……!」
可奈美は彼の横薙ぎを体を反らして避ける。見えた隙に、千鳥を打ち込んだ。だが。
「……速いね」
すでに防御されたことに、驚き以上に喜びがあった。
そこからは、もう可奈美に止まることはない。刀使の中でも有数の実力者である可奈美の攻撃が、まるでビュッフェのように様々な形で乱入者を襲う。
しかし、それも全て彼には見切られていた。切り伏せ、流され、まるで嘲笑うように可奈美の剣を防いでいく。
やがて、乱入者の剣が唸り、千鳥と激突。力の反発で、可奈美は彼と引き離される。
千鳥を改めて構え、可奈美は言った。
「ねえ、名前教えて。こんなに強いんだもん。もっと、君の剣を知りたい!」
「何て大バカ者だ、君は」
ルパンが呆れた声を出した。
だが乱入者は名乗らずに剣を投げ捨てる。紫の炎となり消滅したそれを見届けて、可奈美は戸惑いの表情を見せた。
「ねえ、どうしたの? 剣の会話、やろうよ」
乱入者は可奈美の言葉を無視し、地面へ拳を叩き込む。発生した紫の衝撃が、そのまま可奈美を襲った。
「うわっ!」
腕で体を守る可奈美。だが、顔を上げたときはもう、乱入者が紫の拳を発射していた。
「そんな……」
全身を貫く拳。写シを解除され、生身の可奈美もまた、友奈のところまで転がった。
「がはっ!」
「可奈美ちゃん、大丈夫?」
復帰した友奈だが、彼女もまた生身の姿に戻っている。
頷いた可奈美は、千鳥を再び取ろうと手を伸ばすが、その途中でその手に足が乗せられる。
「痛っ……!」
乱入者の足。無慈悲な目が、ゴーグルの下から見えた。
「よこせ」
紫の手を掲げながら告げる乱入者。足を強め、可奈美の口から悲鳴が漏れた。
「や、やめろおおおお!」
再び勇者へ変身する友奈だが、彼女の動きを完全に見切った乱入者は、友奈の拳を首だけで避ける。
「しまっ……」
すでに友奈の腹には、紫の拳が当てられていた。それを意識した可奈美は、友奈の名前を叫ぶ余裕すらない。
爆発により吹き飛んだ友奈は、今度こそ再起不能になっていた。
「友奈ちゃん!」
生身に戻った友奈。もう変身はできず、動けないでいたが、もう一度変身しようと落ちたスマートフォンを掴もうとしていた。
だが、可奈美の意識はすぐに乱入者により目の前に
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