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私はインフルエンサー・頭フサフサ陽之介
私はインフルエンサー・頭フサフサ陽之介
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ん」って。僕はその通りにするよ』
『そうだ。あと「あなたの睡眠時間を奪う人間は人間と思ってはなりません。即刻縁を切るべきです」ってツイッターでつぶやいてなかったっけ? 今何時だと思っているの?』
『こんな時間に連絡してこないでほしいね。これから寝るんだから』
『しかも君さ、前に「士業の連中は世間知らず」とか動画で言ってなかった? そんな無礼な人に割く時間なんて一秒もないね』
『もう連絡してこないで』

 怒涛のメッセージ。
 こちらが口をはさむ暇もなかった。

 ……。
 使えないな。そう思った。
 彼はきっと私に嫉妬しているのだろう。しょせんはインフルエンサーになれなかった挫折者だから。

 だが私は違う。
 私はインフルエンサー、頭フサフサ陽之介。



 弁護士を探すのは明日におこなうとして、ひとまず一夜をどこかで過ごさなければならない。
 暦の上ではすでに春とはいえ、まだ夜は寒い。誰かの部屋に泊めてもらおう。
 いつも動画編集をやっている私の助手・布井ナステ。
 この近くに住んでいるので、ひとまず彼のところがいいだろう。

 スマホを取り出し、電話をかけた。
 出ない。
 ラインのほうでメッセージを送る。
 その返事はすぐに来た。

『なんですか?』

 用件の前に、一言言わずにはいられなかった。

『変な法律ができたのなら早く教えてくれ。家に警察が来たから留守のふりをして出てきたところだ』

 それもすぐに返事が来る。

『俺も知らなかったんですよ』
『知らないわけがないだろ。ニュースは見ていないのか?』
『最近は見てないです。あなた前にツイッターで「みんながやっていることをやっていては抜きん出た存在になれません。テレビを捨てるところから始めましょう」とか言ってたじゃないですか。ニュースはみんな見てるんですから、見ないほうがいいんでしょ?』

 は? 何を言っている。
 メッセージを打とうとしたが、面倒になりライン通話のボタンを押した。
 出ない。なぜだ。
 リアルタイムでメッセージを返せるなら家でスマホの前にいるはずではないか。

『なぜ通話に出ない?』

 そうメッセージを送った。

『あなた「できる人は全部メールで済ませます。電話をかけてくる人は相手の都合を考えない時間泥棒。即刻縁を切るべきです」って前にツイートしてましたよね? だから出なかっただけです』

 さらにメッセージは続く。

『ということで、縁を切りますね。もう連絡してこないでください』

 ……。
 使えない奴だ。助手の代わりはいくらでもいる。クビだな。
 私は彼のラインをブロックした。



 あと近くに住んでいる知り合いは……。
 カッパのようなハゲ親
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