第8話『交戦』
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そうだ。
戻る道すがら、立石から向こうで何があったのか簡単な説明を受ける。 やはりあの男の仕業と考えてよさそうだ。 話を聞く限りは、襲撃というよりは偶発的な遭遇戦と言ったところか。
いずもに到着すると、天野は立石と長谷川をつれて寝室へと向かっていく。 1時間もしないうちに色々なことがあって疲弊している2人を気遣ったのだろう。
玲人と立石は念のため外で待機し、警戒を続ける。 数分もしないうちにこちらに駆けてくる人影が見えた。 あれは……燕と武蔵野だ。
「燕さん、輝橋は?」
「だから柳葉先生と……と言っている場合でもないか。 鉄脈術が発動しているうちに山の状況を把握したいと言って飛んでいったよ」
「空か……」
どうしても先ほどの怪鳥のことが気にかかる。
輝橋は学生の身分ながらプロとしても活動している製鉄師だ。 流石に引き際を弁えて、無茶なことはしないと思うが……
「ところで玲人。 一つ聞いてもいいか?」
「え? あ、はい。 何ですか?」
そう聞く燕の視線は玲人の腰に注がれていた。
正確には、玲人の腰に下げられた刀に。
「何故、お前が柳葉を帯びているんだ?」
「……あっ」
目が笑っていないとはこういう表情のことなんだなと、玲人はまた一つ賢くなった。
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