第四百五十四話 それぞれの世界の勇者達その六
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「ファイルを読んでな」
「ええ、じゃあ皆に渡すわね」
「私も読むわ」
アイズも言ってきた。
「バグスターとははじめて戦うから」
「皆の分あるからね」
「では読ませてもらうわ」
「じゃあ俺も皆に何か食ってもらうか」
幸平は調理の用意に入った。
「さて、何を作ろうか」
「創真君、鮟鱇があるよ」
恵はエビルアンクラーを見て言った。
「丁度いい具合に」
「そうか、じゃあ鮟鱇鍋にするか」
「それがいいわね」
「鮟鱇なら任せてね」
杏も出て来た。
「うちの学校といえばそれだしね」
「鮟鱇って食べられるの?」
メリダは鮟鱇を見ながら首を傾げさせた。
「毒がありそうだけれど」
「ああ、鮟鱇に毒はないから」
このことは紗夜が話した。
「しかも美味しいから」
「そうなの」
「だから皆で食べよう」
「それなら」
「ふうん、どうして食べるのかな」
エミリアもその鮟鱇を見て言う。
「お鍋にするっていっても」
「それは出来てのお楽しみだよ」
犬屋敷がそのエミリアに優しく話す。
「だからね」
「私達はなのね」
「調理を手伝って」
そうもしつつというのだ。
「そしてね」
「出来たらなのね」
「食べようね」
「それじゃあね」
「期待していていいしね」
「そうなの」
「鮟鱇についてはね」
犬屋敷は微笑んでこうも言った。
「かなり美味しいよ」
「鮟鱇は美味しいですよ」
イースナも言うことだった。
「地球に来て知りました」
「地球だと、あんたそういえば宇宙人とかいったな」
ラーハルトはそのイースナに問うた。
「地球の人間じゃないのか」
「はい、そうです」
あっさりとした返事だった。
「私は宇宙人です」
「そうなんだな」
「まあ大したことではないですね」
「そうだな、俺も人間じゃないしな」
「ですが鮟鱇は食べますね」
「言うのはそのことか」
「姿形がどうかです、例えばこいつです」
イースナは愛香を指差してラーハルトに話した。
「狂暴で残虐、野蛮な蛮族です」
「それは言い過ぎじゃないのか」
「いえ、ここまで恐ろしい奴はそうはいないです」
愛香について真顔で語った。
「そんな奴よりもラーハルトさんはずっと普通です」
「そうなのか」
「はい、蛮族よりも」
「あのね、蛮族って言うけれどね」
その愛香が怒った顔で言ってきた。
「そんなこと言う暇あったら手伝いなさいよ」
「調理のですね」
「そうよ、鮟鱇を捌くことは難しくても」
これには独自の技が必要だ、見れば恵や幸平達料理に慣れた面々が鮟鱇を吊るしてそうして捌いている。
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