第一章
[2]次話
元の毛に戻れて
あるボランティア団体に所属している金髪の優しい顔立ちの中年女性、それがエレイン=シーマーズだった。
エレインはこの時団体の施設にいる一匹を猫を見て周りに話した。
「この子いつも大変そうですね」
「ええ、本当に」
「全身疥癬で」
「痒くて毛もボロボロで」
「辛いでしょうね」
「目も開けられない位までで」
「いつも辛そうですね」
ケースの中の彼を見て言った。
「治療はしていますが」
「はい、それでもです」
「あまりにも身体がボロボロで」
「辛いことがわかります」
「治療ははじめたばかりです」
「飼い主も探していますが」
団体でそうしているがというのだ。
「病気持ちなので中々ですね」
「飼い主が見付かりませんね」
「残念なことに」
「そうなっていますね」
「はい、誰がいてくれたら」
切実な声になっていた。
「いいですが」
「全くですね」
「本当に誰かいてくれたら」
「この子の飼い主になってくれる人がいたら」
「それで優しく受け入れる人がいたら」
「ニャ〜〜〜・・・・・・」
バレンティノは目も開けられない状況で身体を必死に掻いていた、毛はあちこちボロボロで見ている方も辛かった。
エレインはそのバレンティノのケースを無意識のうちに開けた、そして。
彼を抱き締めた、疥癬が感染する恐れがあったが構わなかった。
「絶対に助けるから。安心して」
「ニャ〜〜〜・・・・・・」
バレンティノはふらふらだった、施設に来たばかりで治療もはじまったばかりだった。それでかなり弱っていたが。
彼はお礼を言う様に鳴いてエレインに応えた、そしてだった。
治療を受けていった、診察をした獣医は難しい顔で言った。
「他にも感染症にかかっていて」
「それで、ですか」
「はい、しかもです」
それに加えてというのだ。
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