第107話 難楼 前編
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((満寵))は私を見つめ、胸の当たりで手を組み瞳を潤ませています。
他の武将達も私の行為を理解したようです。
「しかし、面倒なことになりましたね。正宗様、今回の一件は後を引きますぞ」
稟は私を厳しい表情で見ました。
「幽州の民の受けはあまり良くないです。女を対価に憎い烏桓族を許したと思われることは目に見えています。それは、今後の正宗様の治世で挽回できますが、当面は痼りが残りますぞ。問題なのは烏桓族の方でしょう。多分、正宗様を無類の女好きと勘違いし、自分の部族の女を献上してくるでしょうね。彼らにしてみれば、正宗様のお側に近づく機会を得る好気です。今後、烏桓族の立場が悪くなることを考えれば、少しでも良い条件を引き出したいはずです」
「それは解決する方法はある」
冥琳が私と稟の会話に割り込んできました。
「正宗様が烏桓族から側室を取れば済む」
冥琳のその言葉に武将達が目を丸くしました。
彼女達の中には立ち上がった者までいます。
「それはどういうことです?」
星が鋭い視線を私と冥琳に向けてきました。
「言葉の通りだ。だが、私は本意でない。しかし、今後のことを考えればそうするしかない。私と烏桓族の女性が形だけでも婚姻関係にあれば、烏桓族達の立場もそう悪くはならないと思う。だから、烏桓族から1人側室を選ぶ。勿論、相手の気持ちを尊重するつもだ。後、冥琳を側室にすることが決まったのでよろしく」
私は武将達の表情を流すように見た。
冥琳からは3人と言われましたが、1人で十分です。
冥琳は先ほどの私の言葉を聞き漏らさずに聞いていたようで私を厳しい表情で見ました。
ただ、自分の結婚の話を入れたので直ぐに微妙な表情になりました。
「何ですと――――――!」
星は声を張り上げると、私に詰め寄ってきました。
「冥琳殿が側室とはどういうことです!」
星は烏桓族の女性を側室の話を無視して、凄みの効いた表情で私を凝視しました。
「え・・・・・・と、流れで・・・・・・。あははは。冥琳は綺麗だし、仕事が出来るし・・・・・・」
「主、私は素通りなのですか?」
「星、顔が近いぞ。それに少し恐い」
星は私を一睨みしました。
「星も綺麗だと思うぞ。本当だ。仕事も出来るし」
私は星の睨みに怖じ気づいてしまいました。
「ふっ」
星は私の様子を見て、軽く吹き出すと笑顔になりました。
「主はまだまだですな〜。主の態度に免じて、今回は大人しく引き下がるとしましょう。主、無礼の段お許しください」
星は拱手をして謝罪を言うと自分の席に戻っていきました。
何だったのでしょう。
女性とのコミュニーケションは凄く疲れます。
考え
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