第一章
[2]次話
五年後の感動の再会
イギリスのアスピナル財団はイギリス本土のハウリッツ野生動物公園、西アフリカの保護区で野生動物の保護に取り組んでいる。この財団に所属している生物学者デミアン=アスピナル薄茶色の髪の毛を持つ学者らしい理知的な顔立ちの彼はこの時クウィビィという雄ゴリラの世話をしていた。まだ子供である彼にミルクを与えていたが。
彼は周りにこう話した。
「ゴリラは大人しいんだ」
「そうですよね」
「外見は怖そうですが」
「とても優しく穏やかな性格で」
「無抵抗主義で」
「本当に優しい動物ですよね」
「そして頭もいいんだ。こんな素晴らしい生きものが誤解されて怖いとか思われることは悲しいことだよ」
彼はこう周りに話した。
「本当に」
「そうですね」
「欲誤解されますよね」
「顔が怖いですから」
「よく狂暴とか思われて」
「損をしていますね」
「そのことが残念で」
それでというのだ。
「私としてもね」
「その誤解を取り除きたいですね」
「ゴリラはとても大人しくて優しくて賢い生きものである」
「そのことを皆に知って欲しいですね」
「全くだよ。この子だってね」
ミルクを与えているクウィビィを見ながらさらに話した。
「凄く温和で賢いよ」
「教えたらミルクをその通りに飲んでいますし」
「それで大人しいですしね」
「この子もいい子ですよね」
「そうですよね」
「そのことを皆に知ってもらいたいよ」
このことを心から言った、そうした話をしながらだった。
彼はクウィビィを育てていった、そしてもう充分という時にアフリカの森に戻した。彼はこの時クウィビィが幸せに生きることを心から願った。
その五年後彼はクウィビィを離した森の中にいた、財団の他の者達も一緒だが彼はその中で言った。
「クウィビィが元気かな」
「先生が育てていた子ですね」
「あの子はいい子でしたね」
「他のゴリラの子もですが」
「本当にいい子でしたね」
「今もいい子でいる筈だよ、むしろ心配な位だよ」
先生は周りに少し不安な顔で話した。
「何しろゴリラだからね」
「ゴリラは胸を叩いて威嚇するだけですから」
「他のことは一切しませんからね」
「後はうんこを投げるだけです」
「抵抗しません」
「だから棒だけで捕まられる位だから」
抵抗しないので脅して連れて行ったりすることが出来るのだ、実はゴリラ程捕まえやすい生きものもそうはいないのだ。
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