第三章
[8]前話
「何でしたらドイツの貴女のお家にです」
「あの子をですか」
「送りますが」
国際電話でオリビアに言ってきた、スペイン語でのやり取りである。
「どうされますか」
「そうしてくれますか」
「その子のことがどうしても気になりますね」
「はい」
事実その通りだとだ、オリビアは答えた。
「頭から離れません」
「それではです」
「送ってくれますか」
「そのホテルの入り口にずっといますね」
「そうらしいです」
「ではすぐに保護して」
そうしてというのだ。
「ドイツまで」
「安全にお願いします」
送ることはとだ、そのことも話してだった。
その犬はドイツのオリビアの家に来た、犬はオリビアの前に出ると飛びついてきた。そしてオリビアも犬を抱き締めた。
犬は雄でルビオと名付けられた、そして家に入ると先に家にいたシェパードのカールとマスチフのフランツとも会った、すると初対面から。
「ワン」
「ワンワン」
「ワンッ」
三匹共すぐに仲良くなった、三匹共雄なので兄弟となった。
兄弟でオリビアと一緒に過ごした、同僚は休日にオリビアの家に遊びに来た時に兄弟達と共にオリビアの傍にいて嬉しそうにしているルビオを見て言った。
「アルゼンチンで出会って」
「ドイツで一緒に暮らせるなんてね」
「わからないわね」
「これは神様が会わせてくれたのね」
「そうね、神様がそうしないとね」
そうしないと、とだ。同僚も答えた。
「こうしたことはないわね」
「そうよね。神様に感謝してるわ」
オリビアは三匹の犬達をそれぞれ撫でながら同僚に言葉を返した。
「この出会いをね」
「その子とのね」
「出会いは何時何処であるかわからないで」
それでというのだ。
「そこから幸せが訪れるのよ」
「それはやっぱりね」
「神様がそうさせてくれるのよ」
「本当にそうね。だから貴女はその子と一緒になれて」
「それまで以上に幸せになれたのよ」
「本当にそうね」
同僚も笑顔で頷いた、そうしてオリビアとコーヒーを飲みながら世間話をして楽しんだ。その間ずっとルビオは兄弟達と共にオリビアの傍にいた。そこから離れないでとても嬉しそうにしていた。
アルゼンチンでの不思議な出会い 完
2021・2・24
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