第二章
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「お気になさらずに」
「そうですか、では」
「はい、しかしあの犬は」
スタッフの人も犬を見た、見れば入り口の外側からホテルの受付にいるオリビアをじっと見ている。それを見てオリビアに話した。
「ずっと貴女を見ていますね」
「そうですね」
「はい、貴女がお好きなのでしょうか」
「そうかも知れないですね、観光の間ずっと私の後についてきてくれましたし」
「そうですか」
「はい、若しかして」
この時はこう思っただけだった、オリビアはアルゼンチンでの滞在を終えるとドイツに戻った。そうして犬のことを忘れていたが。
半年後またアルゼンチンに来た、滞在したのは前回と同じ街で同じホテルだったが。
入口にあの犬がいた、犬はオリビアを見ると尻尾を左右にしきりに振りながらやって来た。
「ワンワン」
「あの子ね」
「ええ、間違いないわ」
オリビアは同僚に応えた。
「あの子よ」
「そうよね」
「まさかと思うけれど」
オリビアは自分の前に来て尻尾を振って嬉しそうにしている犬の頭を撫でつつ考えた、それで犬と別れホテルに入り。
半年振りに話したスタッフの人に犬のことを尋ねた、するとスタッフの返事は驚くべきものであった。
「あの子は半年の間ずっとです」
「入口にいたんですか」
「毎日時々トイレか散歩に行くのかいなくなる時はありましたが」
それでもというのだ。
「基本です、今じゃ近所の名物になっています」
「じゃあ私を」
「そうだと思います、貴女を待っていて」
「ずっとあそこに」
「何時ここに来るかわからないのに」
二度と来ないかも知れない、それなのにというのだ。
「そうだったんですね」
「はい、そして」
それでというのだ。
「貴女と再会出来てですね」
「物凄く喜んでいます」
「そうですか」
オリビアはホテルのスタッフの話を聞いてあらためて驚いた、そしてこの時の滞在の間もオリビアが外に出ると後ろについてきた、オリビアはその犬のことをアルゼンチンにいる間ずっと頭の中に置いた。
今回の滞在の時も終わりドイツに戻ってもだった、オリビアはあの犬のことを覚えていた、それで出会いに運命めいたものを感じ。
アルゼンチンのその街の動物保護団体を調べてそちらに連絡してその犬のことを話した、するとそちらのスタッフからこう言われた。
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