第三章 リベン珠
第20話 決戦の前の羽根休め
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サグメの言により、ここに勇美達の勝利が確定したのであった。その事により勇美は喜びを全身で表していた。
「やったー。サグメさんとのロボットバトルに勝ったー!」
「ええ、私達の勝ちでいいんですよね?」
その事を鈴仙も噛み締めながら言った。そして、勇美は確認しておきたい事があったのだ。
「これで、私達の力を試す戦いはクリアしたって事ですよね。では、これから私達はどうすればいいのですか?」
『そうですね、それを教えておかなければならないでしょう。でもその前に……』
「?」
何やら意味ありげな事をサグメが言おうとしている中で勇美は気付いてしまったのだった。そして、彼女の意思とは無関係にそれは機能してしまった。
ぐきゅるるるる……。所謂『腹の虫』が鳴るというものである。その痴態を晒してしまった勇美は赤面しながらも今までの事を思い起こす。
「そういえば、月に来てから時間帯を確認出来なかったけど、もうお昼頃かぁ……」
しかも、そこまでに鈴瑚、ドレミー、そして今しがたサグメと、三連戦してきた所である。故に彼女の運動量も半端ではないものとなっていたようだ。
『どうです? 私達が何かご馳走しますが、召し上がっていきますか?』
このサグメの言葉は、勇美にとって正に渡りに舟といった事であった。勿論、彼女の答えは決まっていたのだった。
「もちろんです! ご馳走にならせてもらいますよ!」
「やれやれ、仕方ありませんね……」
そういう鈴仙であったが、彼女とて勇美と同じ道のりを辿って来たのだから、同じく彼女の体は食物を求めているのだった。
こうして、一行はサグメの案内の元、腹を満たす為に進んでいった。
◇ ◇ ◇
そして、一行はロボット弾幕バトルが開始される前にサグメが出て来た屋敷の中、つまり月の都の官邸の中へと案内されたのだった。
中は、一言で言えば『中華風高級ホテル』と表せる、そんな様相であった。レトロな雰囲気を醸し出しながらも、決して安っぽさは存在しない厳かな佇まいを見せていたのだった。
そして、ここは外部とは違って凍結はされていない為に、人が問題なく過ごせる状態にあった。
そんな月の都の官邸内を進んで一行が向かわされたのは、その中にある食堂であったのである。
そして、今の勇美はというと。
「はむっ、はふはふ、もぐもぐ……」
絶賛、提供された料理との格闘を行っていたのだった。だが、その食べ方は些か下品というものだろう。
「勇美さん、もう少し行儀よく食べませんか?」
そんな相方に堪らずに、鈴仙は注意を促した。
「いえ、鈴仙さん。だって、このカレーとサラダのセットの絶品さといったら言葉に表せない位ですから」
そう、勇美達が今ありついているのは、皆が愛する定番料理、カレーライスであったのだ。それを
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