第三章 リベン珠
第19話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん3/3
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サグメがあろう事か、イシンの能力を併用する事で自分の操る機雷を人型兵器の形に変貌させた。これに対して勇美は当然のようにブラックカイザーで対抗する事を宣言するのだった。
やはりそうなってしまったかと鈴仙は項垂れるのだった。こっちにも生粋のロボット使いがいたものだと彼女は最早達観の域に達するのだった。
「もう、好きにやって下さいって……」
そう投げやりに鈴仙は言った。それを受けて勇美は悠々とこう言った。
「はい、お言葉に甘えさせてもらって、好きにやらせて頂きますよ♪」
そう言う勇美は実に意気揚々としていた。それを見て鈴仙は『これまた厄介な悪友が出来たものだな』と自分の上司に対して些か失礼な事を思うのであった。
そして、一応の形で相方から取っておきの力を使う事を承諾された勇美は、満を持して自身の切り札を取り出すのであった。
それは、先のドレミー戦でも使用した、アバドンズジェネレーターのそれであった。
「マッくん、悪いね。また頑張ってくれる?」
その勇美の言葉に、まるで「気にするな」と言わんばかりの振る舞いでマックスはそのパワーアップアイテムを再び受け取るのだった。
そういったやり取りを自らの主と行うと、マックスはドレミー戦の時と同じように眩い光に包まれたのである。
その様子をサグメは『一体何が起こるの?』と期待と警戒の念を込めた心持ちで見守った。
サグメがそういう対応をする中で、とうとう勇美の分身の光は収まっていったのだ。そして、そこには勇美達には見慣れた黒い鋼鉄の騎士が再度見参していたのである。
『これは……』
当然その光景を始めて見るサグメはというと驚愕していたのだった。この現象を初見で驚かない人は恐らく少ないのではないだろうか?
「サグメさんには初めて見せるものですよね? 私のとっておきの『ブラックカイザー』です。あなたの『マインカイザー』に対抗して用意させて頂きましたよ♪」
『成る程……いい催し物ですね』
その勇美の言い分に、サグメは本心から感心してそう言うのだった。
「気に入ってもらえましたか?」
『ええ、あなたにもそういう芸当が出来てこちらとしても嬉しいですよ』
その言葉通り、サグメは今とても心が弾むような気分なのである。それは、彼女が今まで能力の為に容易に言葉を発せられなかった事が要因しているのだ。
サグメは自由に話せないが故に、同僚のみならず、民ともどこか距離が出来ていたのだった。だから、彼女には自分の元に着いて来てくれる者が少なく孤独であったのだ。
なので、今こうして勇美が自分が新しく考案したスペルカードの演出に喰らい付いて来てくれる事が嬉しかったのである。自分と肩を並べて張り合ってくれる者、それがサグメが一番欲しかった存在かも知れない。
漸く自分の心の隙間を埋め合わせ
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