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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第19話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん3/3
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のである。
 鈴仙は一旦目を閉じると、その狂気の瞳の力をブラックカイザーの手元へと意識を始める。すると、見事に彼には赤く光るエネルギーの刃が握られたのだった。
「これで完成ですね、ルナティックブレード」
『そちらも準備は万端のようですね。ではやりましょうか?』
「ええ、お互い派手にやりましょう♪」
『いざ!』
 勇美とサグメはそう言い合うと、両者とも自分が生み出した人型の機体に命令を送る。すると彼等は同時にその足を踏み込むのだった。
 一気に肉薄していく二機のロボット。そして、同時に手に持った剣を振り抜いた。
 瞬間、刃と刃が衝突し、文字通り激しく火花を散らせるのだった。それに伴って耳障りな金属音も辺りに響く。
「くぅっ……」
『ちいっ……』
 そんな緊迫した光景の中でも、二人は『ノリ』を忘れはしなかったようだ。
 接触に加えて、マインカイザーの方には回転ノコギリの刃が備わっているのだ。それが高速回転する事でブラックカイザーのエネルギーの刃を激しく切りながら派手に火花を撒き散らしていた。
 そして、両者はその刃の勢いにより反動を付けると、一旦距離をおいたのである。
 それは、一度離れる事で、再度攻撃をする機会を互いに伺う為であった。そして、再び両機体は剣を振りかざす。
 キィィィン! またしても刃と刃はぶつかり合い、激しい衝撃を出すのだった。どうやら両者とも剣捌きは互角なようで、互いに斬り込む隙を見せないようである。
 もう一度距離を取って互いに斬り掛かるも、結果は同じようであった。両者とも一歩も引かなかったのだ。
「……」
『……』
 この結果には二人も閉口するのであった。このままでは埒が明かないのだ、さてどうしたものだろうか。
 と、ここで勇美が口を開いた。
「サグメさん……パンツ脱いでいいですか?」
 その瞬間、ただでさえ凍結されて冷え込んでいる月の都が更に冷たいものが走るのだった。
 そんないたたまれない空気になった現状を、鈴仙は漸く振り絞って言葉を紡いで打破に向けようとする。
「勇美さん……、百歩譲ってあなたがパンツ脱いだら強くなるとしても、今回ばかりはトボット同士の戦いだから意味ないと思いますよ……」
『……』
 その二人のやり取りを見て、サグメは一体この展開は何だと、さすがの彼女とて困惑するのだった。一方で、イシンは合点がいったという様子でこう言う。
「あ〜、勇美さん、やっぱりやっちゃったって感じですね……」
『『やっぱり』というと、以前にも?』
「ええ、以前に依姫様の所の玉兎達で一斉に勇美さんに戦いを挑んだ時も『ああいう事』やろうとしていましたから」
『そう……』
 サグメは取り敢えず、そう答える事しか出来なかったようだ。彼女とて、自分にとって未知の領域というものは当然存在するのだ
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