第三章 リベン珠
第19話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん3/3
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だが、勇美は落ち着いた様子でそれを迎え打っていた。
彼女はマーキュリーの力を借りると、黒騎士に投影を始めたのだ。
「当たれぇー、ナイフスロウ!」
黒騎士は手に集めたナイフを一度に纏めて投げ放ったのである。するとそれらは次々と歯車刃へと命中していった。
そして、ガキンガキンと音を立てて回転する歯車刃へと攻撃を繰り返していった。
その課程が続く内に、徐々に刃の回転速度が落ちていったのである。
キュルル……。歯車はそのような切ない音を立てて、とうとう回転を止め、その場にボトリと落下したのだった。
「これも防がれてしまいましたね……」
イシンの渾身の攻撃を防がれて、彼女は幾らか気落ちしてしまった。それも無理はないだろう。何せ彼女の能力は本来直接攻撃には向かない筈の所をこうしてサグメのサポートという形を取る事で一時的に可能と出来たのだから。そのチャンスを防がれてしまったのだから、その落胆は一入というものだろう。
その様子を見ながら、サグメはイシンの気持ちを察しながらこう言うのだった。
『そう気落ちする事はありませんよイシン。あなたの攻撃は見事でしたから、もっと自身を持ちなさい』
「え……?」
そうサグメに声を掛けられたのはイシンにとって以外であったようで、彼女はポカンと呆気に取られてしまった。だが、そういった心配りが出来る人格こそが本来の、今のサグメなんだと思い直してイシンはその思いに応える。
「はい、ありがとうございます」
こうして初めての弾幕ごっこで上官から褒められる事となったイシン。その喜びは計り知れないだろう。
『さて、いつまでも落ち込んではいられませんよ。次なる手を打ちましょう。恐らく相手方もそう思っておられる事でしょうから』
「はい、そうですね」
サグメにそう諭されて、イシンは新たなるスペルを発動する。
「【神殺「ギアブレード」】」
そのスペル宣言後、マインカイザーの両手にはギザギザのノコギリ刃の備わった剣が備え付けられたのである。
しかも、ただのノコギリ刃ではない。それは刃が高速回転して恐るべき切れ味を生み出す、チェーンソーのような剣だったのだ。
その禍々しく歪な剣が鋼の巨体に握られているのだから、その威圧感は一入というものであった。
「うわあ……厄介そう……」
そう呟きながらも勇美はどこか楽しげであった。何故なら、このような目を引く装備を行えるのが、ロボットバトルの醍醐味と言えるというのが彼女の弁であったからだ。
なので、彼女はウキウキとしながらサグメ達へと対抗するのであった。
「鈴仙さん、こちらも負けてはいられませんよ」
「……もう、どこまでもあなたに付いていくしかないのでしょうね」
対して、最早このような成り行きになった事を鈴仙もどこか達観して勇美に付き合う
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