第三章 リベン珠
第17話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん1/3
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え、こうなったらやるしかないでしょう」
鈴仙と勇美の物言いはそれぞれであるが、気持ちが決まっている事には変わりはないようだ。
『では始めましょう』
サグメが言うと、他の者もそれに了承していった。
まず動いたのはサグメであったようだ。彼女は懐からスペルカードを取り出す。
『【玉符「烏合の呪い」】』
そして、スペルの宣言も彼女は『変換音声』で行ったのだ。どうやら生の肉声でなくてもスペルカードは持ち主に応えてくれるようだ。
ともあれ、こうしてサグメのスペル発動は成功した訳だ。それによりカードにあらかじめ籠められた彼女の力が解放されていく。
すると、彼女の背中の片翼がバサリと開かれたのだ。それにより辺りに羽根が舞い散った。
事はそれだけでは終わらなかったようだ。宙を舞った羽根は、瞬時にその姿を変えたのである。
その姿はスペル名が示す通り、カラスの形をとっていた。そして、羽ばたきながら耳障りである一方で透き通っても聞こえる鳴き声をあげる。
それだけならば、品性のあるカラスという印象だろう。だが、彼等には特筆すべき事実があったのだ。
「白い……カラスさん?」
その勇美の指摘の通り、彼等は普通のカラスのような漆黒ではなく、寧ろその逆の純白の羽毛に包まれていたのである。
確かにカラスの仲間には、蔓延したイメージである黒塗りではない種類も存在する。だが逆に真っ白なそれなど、そうそうお目に掛かれるものではないだろう。
このような現実離れした光景こそ、幻想の世界に住む者、もしくはスペルカードが生み出すものと言えよう。
その芸術的な様相に見とれていたい勇美であったが、それを許す相手ではなかった。
『さあ、行きなさい』
サグメがそう言うと、白カラス達は一斉に了承の意味を込めた鳴き声をあげ、勇美達の元へと向かって行った。
だが、今更これしきの事で怯む二人ではなかったのだ。
「鈴仙さん……これ位で、ねぇ?」
「そういう事ですね♪」
二人はそう言い合うと、一斉に各々で銃を引き抜いたのだ。──無論それはプレアデスガンとルナティックガンであった。
その後の二人の行動は早かったのである。無駄のない銃捌きで瞬く間に白カラスの群れを撃ち落としていった。弾丸が空を切る音と袋から空気が抜けるような音が辺りに響く。
そして、あっさりとカラスの群れは全滅したのである。だが、それでサグメには動揺した様子はなかった。
『まあ、これは小手調べですからね』
「ええ、そうでしょうね。──サグメさんもそういうの好きじゃないんですか?」
スポ根精神はなくても、ボスキャラ精神はあるのかも知れないと、勇美は何故か意気揚々とするのであった。
『いえ、私には何の事だか分かりませんね』
対してサグメの方もどこか楽しげであった。それを見
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