第三章 リベン珠
第17話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん1/3
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」
その事は幻想に生きる身としては重々承知のつもりであったが、それでも相手の印象に全く左右されずに物事を判断するというのは難しいと鈴仙は感じるのである。
それはともあれ、鈴仙にはここで聞いておかなければならない事があるのだった。
「ところでサグメ様、今月の都はどうなっているのですか?」
『そうですね、あなた方にはその事を話してもよいでしょう』
言うとサグメはオホンと咳払いした。これは言葉を発してはいないから、彼女の能力が暴発する事はないだろう。
『まず、今の月の都は『ある者』の襲撃により月の民が住めない状態になっています』
「ある者? 襲撃?」
勇美はサグメからさりげなく発せられたワードに驚くのだった。何やら自分の想像を越えるだろう事態になっているのだと思っての事である。
『その事については後々話します。今言うべき事は、月の民が住めなくなった都の機能を停止させて凍結状態にしてあるという事ですね』
「それで都には、何と言うか『精気』が感じられなかったという訳ですか」
『そういう事です』
勇美の言葉にサグメは相槌を打つが、勇美には当然新たな疑問が生まれていた。
「それで、月の民の皆さんはどうなったんですか?」
それこそが一番の論点であろう。都を賑わせていた住人が人っ子一人いなくなっているのだ。その事を心配するのは当然の流れであるのだ。
『安心して下さい、心配には及びませんよ。彼等は夢の世界に移転させています。今でも彼等は夢の中で本物の月の都にいると思っているでしょう』
「夢の世界に……?」
サグメがさらりと言ったそのワードを勇美は逃さなかったのである。彼女は余す事なく喰らいついた。
『すみませんでしたね、言葉足らずで。あなた方もここまで来る際に遭っているでしょう、『あの獏』に』
「あ、ドレミーさんですね」
その者の存在を提示されて勇美は合点がいくのだった。夢の世界の支配者たる彼女なら、新たに夢の世界に住居を創りそこに月の民を住まわせる事が出来るだろうと。
『そうです、私は彼女と契約して民を一時的に住まわせてくれるように頼んだのですよ』
だが、ドレミーとて突然そのような申し出を受けたが故に乗り気ではなかったのだ。勇美達の足止めを試みたのはその事への憂さ晴らしも含めての意味合いであった訳だ。
『それにしても驚きましたよ、あの獏があなた型を通すとはね』
「ええ、それは戦いの果てに生まれた友情の証とでも言いましょうか?」
『あなたの言葉の意味がよく分かりませんが……』
どうやらサグメにはスポ根精神やら少年漫画的な美的意識は余り持ち合わされていないようである。
「この素晴らしさが分からないんですかぁ〜♪」
そんなサグメに対して、勇美はふてぶてしくのたまった。だが、ここで彼女は聞いておかなければな
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