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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第17話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん1/3
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もあって何とかうまくやっていると。
 そこまで聞いた勇美は、しみじみとした様子で言う。
「そっかあ……、出世するっていうのも大変なんだね。でも応援してるから、頑張ってね♪」
「はい♪」
 勇美のその励ましに、イシンは堂々と答えたのだった。彼女は重役の補助という役職に就いた事により、その振る舞いも様になっているようであった。
 そこへサグメが話に入り込んできた。
『そして、私がこうして堂々と気兼ねなく『話せる』ようになったのもイシンの能力のお陰なのですよ』
「それってどういう事ですか?」
 要点の得ないサグメの物言いに、勇美は頭に疑問符を浮かべる。そこへ助け舟を出したのは鈴仙であった。
「勇美、サグメ様には話した物事が逆の結界にしてしまう能力があるのですよ。それもサグメ様自身にも制御出来ないという代物なんです」
 そして鈴仙はサグメの能力について詳しく説明していくのだった。曰く、この能力は『発言した内容と逆の事が起こる』……という事ではないようだ。
 例えば巨人と広島の試合を例にあげるとこうなる。この勝負にサグメが『巨人が勝つ』と言っても、『広島が勝つ』と言及しても同じ事が起こるのである。
 それはサグメの能力があらかじめ定められた運命に干渉する方向性だからなのだ。
 仮に勝負の結果が巨人の勝利に定まっているとすると、これに対してサグメがどちらが勝つと言及しても彼女の発言は巨人が勝つという運命に直接干渉する為、その運命が逆転して広島の勝利になるという事である。
 そのような神の領域に足を踏み入れるような規格外の能力をサグメは有している訳であるが、今話題にすべき事はその能力の内容ではないだろう。
 今、問題にすべき事は……。
「つまり、サグメさんはイシンの『文章を操る能力』で自分の能力に干渉される事なく無事に話せるようになった訳ですね」
『そういう事ですね。厳密に言えば鈴仙が言ったように『話して』はいないのですけどね。感覚的には頭の中で文を組み立ててそれをイシンの能力で音声に変えてもらう訳ですから、『テレパシー』に似ているでしょうか』
「成る程、何にしてもよかったですね、サグメさん」
 そう自分の事のように嬉しそうな振る舞いを見せる勇美に、サグメは何か少し気を引かれてしまうような心持ちとなるが、その後こう言った。
『ええ、自由に言葉を発する事が出来るというのは心地がいいものですよ』
「……サグメ様って案外お喋りだったですね」
 イシンの補助にて悠長に言葉を放ち続けるサグメに、鈴仙は少し呆気に取られながら思っていた。
『私の事を寡黙だとお思いでしたか?』
「ええ……まあ……」
 サグメに痛い所を突かれて、鈴仙はタジタジになってしまう。
「鈴仙さん、人を印象で判断しちゃダメですよ〜♪」
「確かにそうなんですけどね
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