第三章 リベン珠
第17話 幻想ロボット対戦外伝 すごいよ! サグメさん1/3
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こちらの方は私の情報にはありませんね』
「はい、黒銀勇美と言います。もうすぐ15歳になります」
『いや、それは聞いていませんって』
この状況でそのような自己紹介が必要なものなのかとサグメは脳内でツッコミを入れておくのであった。
そんな中で鈴仙は気になる事が出てきたのだ。その事を彼女は指摘する。
「サグメ様、あなたがこうして饒舌に話して……いえ『話して』はいませんよね」
そう、鈴仙が感じていた違和感がそれであったのだ。それだと先程『知らない者の声』と判断してしまったの頷ける。
結論から言うと、サグメは『口を動かして話して』はいなかったのだ。つまり、彼女は今自分の肉声で言葉を紡いではいないという事だ。
『いい所に気付きましたね、ではその事について説明しましょう。──姿を見せていいですよ』
「「?」」
突然何を言い出すのだろうと、勇美と鈴仙は同時に首を傾げる。
その後、門の影に隠れていた者が姿を現したのであった。
「「!」」
それには二人とも驚いてしまった。──何故なら二人との見知った顔であったからだ。気付けばその者の名前を勇美は口にしていた。
「イシン〜♪ お久しぶり〜♪ また会えるなんて思ってなかったよ〜♪」
否、口にすると同時にその者──レイセン改めイシン──に抱き付いていたのだった。
「うわっ! ちょっと勇美さん、やめて下さいってば!」
突然自分の身に降り掛かった災難に、イシンはタジタジになり取り乱してしまう。
「あ、ごめんなさいね……」
冷静になった勇美は漸くイシンを解放するのだった。そして、改めて彼女の様相を見て勇美は驚いたのだ。
「それにしても見違えたねイシン。格好いいよ」
「……まず最初にその事に気付くべきじゃないですか〜?」
その二人のやり取りが示す通り、イシンの出で立ちは以前勇美が見たものとは大きく異なっていた。
彼女の今の服装は『学者』そのものであった。黒くてゆったりした服にいかにも学者といった帽子を被っていたのだった。
その姿を感心しながら見ていた勇美だったが、重要な事を確かめる為にこう言った。
「イシン、綿月姉妹の元を巣立っていった後は月の重役の元へ行くと言ってたけど、それがこのサグメさんという訳ですね」
『そういう事です』
勇美とイシンの間に入って来たのはサグメであった。相変わらず口を動かしてはいないが。
『イシンは彼女の能力を活かして、私の元で情報管理の役職に就く事になったのですよ』
「そうだったんですか。大出世だね、イシン」
「はい、今でも信じられない位ですよ。月の賢人であるサグメ様の元に仕える事が出来るなんて」
そしてイシンは話していった。今まで一介の玉兎をやっていた自分には、そのような重役は荷が重いと感じる事も多いと、でもサグメのサポート
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