第三章 リベン珠
第16話 いざ、月の世界へ
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ドレミー・スイートとの戦いに勝利した勇美と鈴仙は、三人でテーブルに座って憩いの時を過ごしていた。
無論これはドレミーの力により現出させた代物である。この力を利用して三人は話に華を咲かせていたのだった。
「この先待ち受けているのが悪夢だとしても、それでも私は行くしかないんですよ。それが仕事だからねぇ。守らなきゃいけないのですよね。それに、勇美さんも一緒にいてくれる訳ですから、心細い事はないですよ」
「鈴仙さん……」
自分のパートナーからそのような言葉を掛けてもらえて、勇美は嬉しくなる。
「そうですか……。私の方は一応形だけでも仕事をしたのでもう十分です。そして、お二方、いい関係ですね」
「それは勿論!」
勇美はドレミーから称されて、ますます心が弾む心持ちとなるのだった。
「それはさておき……ドレミーさん、その格好はどうにかならないのですか?」
話題を変えた鈴仙は、目のやり場に困りながらチラチラとドレミーを見やりながら言っていた。
その鈴仙が気にするドレミーの今の格好。それは上半身にはサラシ、下半身は紺のプリーツスカート、後は裸というもはや服装と呼べはしない破廉恥な代物と変貌していたのである。
この格好で普通に二人と話に華を咲かせる事が出来る辺り、様々な意味でドレミーの器の大きさというものを計り知る事が出来るであろう。
「さっきの戦いでかなりダメージと霊力を消費しましたからね……。今作り出せる服ってこれ位の物なのですよね」
そう言いながらドレミーはサラシ越しにその肉鞠をたゆんと揺らしていた。
「しかし、他に取れる格好はあるでしょうに……」
例えば普通に白のブラジャーとショーツに。そう思った鈴仙だが、それはそれで問題かと思い直した。
ともあれ、今のドレミーのような『この上ないご馳走』を決して見逃さない者は確かに存在するのだった。
「ところでどうですかドレミーさん、今夜私とベッドで……」
「はいはい、ネチョになるからやめてね」
「夢の世界に昼も夜もありませんって……」
勇美のピンク色の発想に、鈴仙もドレミーもツッコミを入れる。
「ははは、冗談ですって」
「いいえ、あなたは7割方本気でしたよ」
軽く受け流そうとする勇美に対して、ドレミーは手痛い指摘をする。
それから、夢の世界という非現実的な空間にありながら三人は世間話や他愛もない話をして憩いの時間をそこで過ごしたのであった。
◇ ◇ ◇
そして、一頻り話をしてリラックスした勇美と鈴仙は旅を再開すべく立ち上がるのである。
「それでは、ドレミーさん。何だかお世話になりました」
「いいえ、こちらこそ仕事とはいえお急ぎの所を足止めする形になってしまって申し訳ないですね」
勇美とドレミーはそう言い合って笑い合う。その今の事を思うと
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