第三章 リベン珠
第16話 いざ、月の世界へ
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これを誰がやっている』かはおおよその見当が付いています。その人に今から会いにいきましょう」
「もしかして、通路に機械をけしかけていた人と同じ人ですか?」
「そういう事ですね」
そう言うと鈴仙は勇美を誘導して、この豹変した月の都を進み始めたのである。
鈴仙に着いていきながら勇美は、綿月邸に行こうかと提案しなくて良かったと思っていた。
何故なら鈴仙にとって戻りづらい場所だからである。そこへ行かずに他に目指す場所があるなら、まずそこから行くべきだろう。
勿論勇美にとって、本来なら月に着いたら真っ先に調べたい場所である。しかし、この異変をより確実に解決するには私情は挟んでいられないというものだ。
ちなみに、月の都の道中には勇美の予想通り人っ子一人存在しなかった。精気の抜けた町並みに加えてその事実により、まるでここが実物大の箱庭ではないかと錯覚してしまう程だ。
「ここですよ」
そして、二人はとある一際大きな建造物の前に来ていた。恐らく月の官邸か何かであろう。
勇美の案内に成功した鈴仙は自分には恐れ多いという雰囲気を出しながらも、堂々とその建物の門の前まで来たのだった。
もし開いていたらラッキーだが、侵入者を防ぐ門がそのような体たらくでは仕方がないだろう。
最悪の場合、自分の狂気の瞳の力でハッキングめいた真似をしようと奮闘しかけた鈴仙を前にして、何者かの声が聞こえた。
『お待ちなさい』
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