第三章 リベン珠
第15話 THE LUST 4/4
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よ」
「いいえ、あなたとその相棒は良くやってくれましたよ」
それが、厄介な『紺色の狂夢』の解除にまでこぎつけてくれたのだと、寧ろ鈴仙は勇美に感謝する程であった。
その二人のやり取りを遠巻きに見ていたドレミーは、その間に入る形で口を開く。
「おや、先程の騎士さんも私の狂夢同様に保てなくなりましたか。──これで皆さん、私も含めて後がなくなったという事ですよね」
このドレミーの言葉には誰も否定しないのだった。勇美は言わずもがな、そして鈴仙もとっておきのスペルを使い、暫くは再び使う事は出来ないだろう。
「つまり、互いに次が最後という事になりますね」
「ええ」
「そういう事ですね」
ドレミーのその提案には鈴仙も勇美も賛同するのだった。泣いても笑っても次が最後になるだろうと。
殊更ドレミーに関しては、この二人との戦いで想定していないスペルの使用までしているのだった。それだけ彼女はこの勝負に置いて些か無理をしているのだ。
それだけこの二人には何か言葉に出来ないものを感じるからであった。『夢』の管理者であるドレミーはその事を大切にしたいと思うが故に気まぐれでもあるのだった。
どこか自分らしくもないなと感じつつも、ドレミーは最後の決戦の為に二人にある提案をする。
「ところでお二人さん。私の服は見ての通り先程の攻撃でボロボロになってしまいました。なので、ここで着替えをして構いませんか?」
「つまり、生着替えという事ですね!!」
「「それは違う」」
勇美の勘違い暴走っぷりに二人は敵同士でありながら息の合ったツッコミを入れた。そんな事したら完全にネチョだろうと二人は勇美の発言を許しはしなかった。
「勇美、あの時のカウガールと同じ事になると思いますよ」
「的確なフォローをありがとう鈴仙さん」
そう答えたのは勇美ではなくドレミーであった。一方で勇美はどうなっていたかは想像に難くないだろう。
「ちっ……、そんなつまらぬ物を私に見せるか」
「露骨に嫌そうな口っぷり? しかも武士?」
「何を〜、武士は依姫さん以外には私は認めませんよ!」
「……」
論点がずれてきた。このままでは話が泥沼に引きずり込まれてしまうと思った鈴仙は流れを元に戻すべく奮闘する。
「簡潔に言っておきますね。ドレミーさんはさっきのあなたの攻撃で服がボロボロ。だから代わりの服に着替える。そしてそれは彼女の能力で一瞬。それ以上でも以下でもない。それ以外の論点はない訳、いい?」
「はい、分かりました」
鈴仙のその無駄のない流れるような滑舌に勇美は呆気に取られて、頷く以外の選択肢がなかったのだった。
「で、早い所着替えていい? このままだと落ち着かないので」
「ええ、手間取らせて悪かったですね」
ドレミーのその物言いに答えたのは鈴仙であった。勇美に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ