第三章 リベン珠
第15話 THE LUST 4/4
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ズジェネレーター』。勇美と良き好敵手となった妖怪から見初められて譲り受けた、掛け替えのないアイテムなのであった。
その玉を勇美は自分の半身であるマックスへと与えたのである。
「勇美さん、それは?」
「あ、そういえば鈴仙さんにはまだ見せた事がなかったですね」
言って勇美はこのアイテムの出所やどういう効果があるのかを事細やかに説明していった。
「……色々な事が凄いですね」
それが勇美の話を聞いた鈴仙の感想であった。様々な要素が驚くべき事ばかりで、どれに重点を絞って話題にするかは迷う程なのであった。
そして、勇美が説明している内に『それ』は完成していたのである。
「お出ましですね。【黒皇「ブラックカイザー」】の♪」
彼女がそう言うように、そこには幾度となく主を助けてきた鋼鉄の騎士が現出していたのだ。
これは、勇美が好敵手から譲り受けた、彼女の妖力が込められたアイテムを取り込む事で勇美の半身たるマックスがその力を一時的に増大させ、屈強な人型の姿を取る事が出来るというものなのである。
ここに準備の第一段階は整った。後はこの騎士に更に神降ろしの力を加えるのみなのだ。
だが、それを易々と許すドレミーではなかった。
「何やら大それた芸当をやってのけたみたいですけど、これ異常やらせるとお思いですか? もう一度アクアブレスを喰らいなさい!」
言うとドレミーは再び大きく息を吸い込んだのだ。それも先程よりも深く。
先には泡の吐息は辺りの歯車のフィールドを暴走させて電流の奔流を巻き起こすのが狙いであったが、先程の鈴仙の障壁によりもうその手は使えなくなっているのだ。
ならば、もう真っ向勝負に出るしかドレミーに選択肢は残っていなかったという事だ。故に彼女は小細工なしで敵を討つために全力でブレスの準備に取り掛かったという事だ。
そして、ドレミーの口から再び泡のブレスが吹き出されたのである。勿論その威力は上がっていた。まるで大雨の時の河の濁流を彷彿とさせんばかりの代物であった。
だが……。
「残念。もう準備は整っている訳なんですよね♪」
それを迎え撃つ勇美の様子には余裕が見られていた。それがハッタリではない事を彼女はこれから証明する。
「『愛宕様』に『祇園様』。お願いします」
そう、これがブラックカイザーの強みであった。その屈強な鋼の肉体により単体でも戦える状態にある中で、更にそこに神降ろしの力を追加する事が出来る、正に鬼に金棒の性能なのだ。
そして、ブラックカイザーに炎の神と英雄神の力が同時に備わっていき、彼の様相は一気に変化したのだった。
それは、全身に炎を纏った姿であった。鋼の肉体にも関わらず炎で溶けないのは、それが神の炎である為や、ブラックカイザー自身の特異性に起因している。そして、勇美はその姿となった
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