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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第14話 THE LUST 3/4
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レミーは直ぐに行動に移した。
「何やら大それた事になりそうですが、それを私がさせると思っているのですか?」
 そしてドレミーは再度要塞のアームを操る。しかも、今度は一本ではなかった。要塞から別の箇所が開き、二本目、三本目のアームが追加されていったのだ。
 だが、その対処は一足遅かったようだ。
「いい対応ですね。でもちょっと手遅れだったようですね」
 そう勇美は得意気に言い、そして決め手となる行為の名称を口ずさむのであった。
「【魔鏡「月読みの鏡」】」
 その宣言を受けて、勇美が造り出した鏡の鏡面は赤一色に染まったかと思うと、そこから一気に太い赤色の光線が照射された。
 そして、光線は伸びてきた三本のアームを巻き込むと、一瞬の内にそれらを塵へと還したのである。
「えっ……!?」
 当然それにはドレミーは息を飲んだ。遥か上空からの回避しづらい攻撃が、こうも簡単に打ち砕かれてしまったのだから。
「いっけえー!!」
 この勢いに勇美は乗り、そのまま赤の光線を照射し続けたのである。目指すは勿論、上空に浮かぶ蒼の要塞である。
 そして、事は一瞬であった。鏡から放った光線は寸分違わずに要塞を貫いていたのである。
 次の瞬間、とうとう要塞はその身に受けた衝撃に耐えきれずに爆発を起こしていった。やはり巨大な構成物が爆発に飲まれて崩落していく様は不謹慎ながらも芸術的というもののようだ。
 思わず勇美達は暫しその美しい光景に目が釘付けとなっていたが。
 そして、要塞は完全に崩落を迎えたのだった。その要塞の持ち主は無言で佇んでいた。
「……参りましたよ、このドリームキャッチャーすら葬るなんてね……」
 口ではそう言うドレミーであったが、二人は見逃さなかった。彼女の表情に微笑が湛えられていた事に。
「鈴仙さん、気を付けて下さいね」
「ええ、分かっています」
 慎重にそう言う二人に、ドレミーは感心する。
「よく分かりましたね、私がまだ奥の手を用意している事に」
「はい、あなたから感じられる雰囲気から、そうじゃないかって感じたのですよ」
 余裕の様相を見せ始めたドレミーに対して、勇美は尚も油断なく彼女に向き合う。
「それではお望み通りご覧にいれましょう。【月符「紺色の狂夢」】」
 こうして遂にドレミーの奥の手が発動される事となった。そして、勇美は違和感を覚える。
「あれ? 『月符』?」
 それが違和感の正体であった。今まではドレミーのスペルは『夢符』で通されていたのに、ここにきてその法則に変化が見られたのだ。
『月』。それは鈴仙のかつての故郷であり、高い英知と技術と力を有する、地上の者にとってはその真の姿は未踏の地となる存在である。
 その月の名を冠するスペルをドレミーは発動したのだ。それに警戒しない鈴仙ではなかった。
「わか
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