第三章 リベン珠
第13話 THE LUST 2/4
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ーに対して、勇美は意気揚々と言ってのけた。
勇美の準備は出来た。後は行動に移すのみであろう。そして勇美は迷わずその足を踏み込んだのである。
目指すは忌まわしく視界を遮るように生えた草の迷路の壁。そこへ目掛けて勇美はその赤き剣を振り翳すのだった。
「はあああっ!」
最初の内は人間の肉体故に、その精度には限界があった勇美。だが、彼女は今までの弾幕ごっこの鍛練により自分の肉体は鍛えられ、勿論人間の範疇ではあるがその精度は研ぎ澄まされているのだった。
故に、無駄のない動きで勇美はその『草刈り』を行っていく事が出来たのである。彼女の第一の振りは見事に草を捉えて、綺麗に刈り込んでいった。
「やはりそう来ますか!」
ドレミーはそう言いながら、驚きつつも納得している様子であった。
そう、これが勇美が取った戦法であり、弾幕ごっこがビデオゲームでない事の証明であり、非常に理に敵った攻撃と言えるであろう。
「ですが……」
だが、そう易々と相手に攻撃を許すドレミーではなかった。彼女は草の中からエネルギー弾を放ったのである。
そう、相手が弾幕ごっこがビデオゲームでない事に固執するならこちらもそれに応えるのみなのである。自分も相手にこれは単なる草刈りゲームではない事を教えるまでである。
だが、そのドレミーの機転に対して、勇美は至って落ち着いていた。
「私がそう来ないと思ったのですか?」
そう言いながら勇美はドレミーが放った弾を悠々とかわしたのである。それは勇美の驚くべき程の集中力と言えるだろう。
そして勇美はただ避けるだけではなかった。弾をかわしたその勢いのままに彼女は次なる斬撃を別の草へと繰り出したのである。
またしても草は引き千切れ、鼻を刺激する爽やかな香りを放ちながら無へと還っていった。
「やりますね、でもまぐれはそう何度もありませんよ!」
その勇美の奮闘に意表を突かれつつも、ドレミーは冷静に向き合いながら言う。
そして、再び彼女は弾撃を放ったのである。
「まぐれかどうか、その目で確かめてみて下さいね♪」
そう言って勇美は自分に迫って来た弾を、何の造作もないと言わんばかりに軽々と回避してみせた。そして、またしてもその行為の後に草を刈り込んでいったのだ。
この勇美の事のこなしっぷりは、正に彼女がまぐれでの会心劇を見せてはいなかった事の証明なのであった。
そして、一頻り草を刈り込んだ勇美は今が決める時だと勢いづいて言った。
「さて、草も粗方刈り込んだ事だし……てやっ!」
掛け声を上げて勇美は、剣を携えた状態である一点の草を狙ったのである。それは他でもない……。
「しまっ……!」
ドレミーがそう言い掛けた時には既に遅かったのだ。勇美が飛び出していった草の中には、正に彼女がいたからである。
「は
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