第三章 リベン珠
第13話 THE LUST 2/4
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
々。正にそれは『迷路』のようにそびえ立っているのだった。
加えて、ドレミーの姿は見事にその中へと潜り込んでしまっていた。彼女はこのスペルを謂わば自然のバリケードとして利用したという事であった。
そして、この迷路性を利用して、相手が行き先を迷っている内に草の中から攻撃するというのがドレミーの狙いだろう。
しかも火、氷に続いて今度は草か。いよいよ以て彼女の器用さには警戒しないといけないだろうと二人は思うのだった。
「これは……非常に厄介ですねぇ……」
その事を考慮してそう呟く勇美と、傍らにいる鈴仙の表情には……何故か笑みが浮かんでいたのだった。
「……何がおかしいのですか?」
その異様な光景に、ドレミーはそう聞かずにはいられなかったのである。それが、『負ける』側になる台詞であるのだが。
動揺するドレミーに対して、勇美は丁寧に答えていく。
「ドレミーさん、弾幕ごっこっていうのはですね、テレビゲームとは違うのですよ♪」
それは勇美の言う通りであろう。実際に戦う者はコンピューターを介してではなく、生身と生身でぶつかり合うのだから。ちなみに『原作』の弾幕ごっこはそのビデオゲームだというツッコミはここでは野暮というものだろう。
一頻りそう相手を窘めるように言葉を紡いだ勇美であったが、その具体的な答えを言動で示すのだった。
「鈴仙さん、何だかあなたにはこの旅の戦いで私のサポートばかりさせてしまって申し訳ないのですけど、今回もお願いしますね」
「いいえ、気にしないで下さい。私の狂気の瞳って、元々サポート向きですからね」
謙遜して言う勇美に対して、鈴仙はそれも仕方ないだろうと大らかな気持ちでして答えた。
「そう言ってもらえると肩の荷が降りるってものですよ。では、やりましょうか♪」
言うと勇美は、まず次なる神降ろしを行う。
「では、まず祗園様お願いします」
そう勇美が言うと、彼女の周りに力溢れる荒ぶる英雄神の力が集まってくる。
後は、鈴仙の出番である。
「鈴仙さん、続けてお願いしますよ」
「はい、任されました」
その息の合った掛け声の後、鈴仙は念じながらその瞳を閉じたのだった。そう、鈴瑚と戦った時勇美と力を合わせたあの瞬間と同じ行為をしたのである。
鈴仙のその行為が終わると、勇美の手にはある物が握られていたのだった。
それは、機械の柄を媒体として形成された目に焼き付くような赤で構成された光の刃であった。
「【繋符「ルナティックブレード」】ですよ」
勇美は今しがた出来上がったその剣の名前を口にする。そして、それを見ていたドレミーの脳裏に嫌な予感がよぎる。
「あなた、何を……。まさか!?」
「ドレミーさん、多分その予想は正解ですよ♪」
草に隠れているが、恐らく動揺の表情を見せているだろうドレミ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ