第三章 リベン珠
第13話 THE LUST 2/4
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った。
しかも、その銃の見た目は非常に奇抜なものであった。まず、藍色の氷を削り出して彫刻にしたかのような精巧な外観、それに加えて砲門が三つもあるというまずこのような銃は現実では見ないだろういう代物である。
その、如何にも夢の産物といった様相の銃の引き金をドレミーは引いたのである。
「喰らいなさい、『スリー・フリーズ』」
掛け声と共にドレミーの銃の三つの銃口から一気に冷気の籠もった光線が絞り出されていった。藍色に凍えるその光線はこの夢の世界の空間の外観もあって、非常に幻想的であった。
その光線が向かった先は、当然のようにドレミーに迫っていた水の触手であった。
「簡単な問題いきますよ。火は水で消えますが、水は冷気に当てるとどうなるでしょうか?」
「……」
ドレミーの質問提議に勇美は無言を貫くものの、彼女にもその答えは簡単に分かるのだった。ただこのタイミングでその手段を容易く用意されてしまった事に言葉を詰まらせていたのである。
勇美が答えるまでもなく、三本の冷凍光線は見事に水の触手に当たった。後はご察しの通りであろう。
辺りにピキピキと軋むような、割れるような音が響く。そう、見事に水の触手は氷に包まれてその身を固めてしまったのだった。
「どうですか、このスリー・フリーズのお味は?」
「ええ、正直言って参りました」
ドレミーの挑発的な物言いにも、勇美は正直に今の自分の気持ちを表した。
さっきまでは炎を操っていたと思えば、今度は氷か。そう思いながら勇美は彼女の『読書仲間』へと想いを馳せていた。このような状況に対応する為に、もっと彼女とも弾幕ごっこをしておくべきだったかと些か後悔するのだった。
だが、後悔先に立たずといったものだろう。そう勇美は思い直す事にし、今のキャパシティの中でドレミーに打ち勝つ事を考えるのだった。
それに勇美には今、鈴仙という仲間がいて戦っているのは彼女一人ではないのだ。だから、勝算というものは必ずあるだろう。
そう勇美が思っている中、ドレミーは言う。
「さて、あなたの出方も封じた所ですし、次に行かせてもらいましょう」
言うと彼女は今しがた生成した氷の銃を解体して、元の藍色の冷気に戻し再び無へと還したのだった。
「あれ? それで攻撃して来ないんですか?」
今こそ追撃の絶好の機会だというのに。勇美はその事に首を傾げる。
「それでもいいのですが、ちょっと面白いものをお見せしましょうと思いましてね……」
何やら意味ありげな言葉を紡ぎながら、ドレミーはクスリと奥ゆかしく笑みを湛えていた。
「その前に、っと」
ドレミーがそう言って両手を広げると、彼女は光に包まれたのである。そして光が収まると、そこには『元』の姿のドレミーが存在していたのだった。
即ち、あのお色気ネグリジェ姿
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