第三章 リベン珠
第12話 THE LUST 1/4
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の身が眩い光に包まれたのである。それは一瞬であった。
そして、その光が収まった時悲劇は起こっていたのだった──無論、勇美にとってのだが。
「ドレミーさん、何ですかその格好は……」
勇美が呟きが示す通り、ドレミーの服装が変化していたのだった。彼女はまるで、カウガールのような風貌へと成り代わっていたのである。馬を乗り回すに相応しいのはこれと判断したドレミーの遊び心というものであろう。
女性がそのような格好をすると、可憐さと格好良さが合わさった魅力があるのだが、悲しいかな、今までの妖艶ネグリジェの前では霞んで見えるのだった──無論、勇美にとってだが。
「ネグリジェェェ……」
勇美は泣いた。その泣きっぷりは、彼女が少女でありながら、男泣きとすら思えるものであった。
「勇美さん、戦いに集中して下さい……」
「鈴仙さん、貴様には分かるまい。あのネグリジェの魅力というものは!」
「貴様!?」
仲間からとは思えぬような暴言に鈴仙はたじろぐしかなかった。そして思った。
(この人間、駄目だ、早く何とかしないと……)
なので、彼女は強行手段に出るのだった。
「【狂符「幻視調律」】……」
赤い瞳を光らせ、そのスペルを鈴仙は勇美に向けて放ったのである。変な物が見えている彼女の意識を調律するにはこれがピッタリだと思っての事であった。
そして、その効果は確かにあった。
「あ、鈴仙さん……。私、今まで何を?」
「あ〜、戻って良かった……」
かくして、ここに勇美は『しょうきにもどった』のであった。めでたしめでたし。
「って、戦いは始まったばかりですって!」
そうメタ的なツッコミを鈴仙は誰にともなく入れながら、やるせない心持ちとなっていった。
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