第三章 リベン珠
第12話 THE LUST 1/4
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た。
「お取り込み中に悪いけど、もう話は済みましたか?」
「ええ、少し手間を掛けさせて悪かったですね」
獏の言葉に鈴仙は言葉を返していく。そして、鈴仙はここで先程から疑問に思っていた事を口にする。
「それで、獏のあなたが何故ここに?」
「それはですね。今回の騒動には私も関わっていましてね、それで訳あってあなた達をここから先に進ませない為に現れたという事ですよ」
「成る程、あなたにも事情があるみたいですね。でもこっちも悠長な事は言っていられないんですよ。ここは力ずくでも行かせてもらいますよ」
「そういう事ですよ」
鈴仙の言い分に勇美も軽快に便乗する。どうやら彼女の恐れは払拭出来たようである。
それを聞いていた獏は「やはりこうなりますね」と、やれやれといった様相でかぶりを振るのだった。
「仕方ないですね。ではこれから弾幕ごっこをする間柄になるのですもの、互いに名前を名乗っておくのがいいですね。私は『ドレミー・スイート』。以後お見知りおきを」
そうして丁寧に自己紹介をしたドレミーに対して二人も返して紹介するのだった。
◇ ◇ ◇
そして、いざ弾幕ごっこが始まろうとしていた中で、ドレミーからこんな提案があった。
「それでは、これから弾幕ごっこを始める訳ですが、ここでは少し狭くはないですか?」
「言われて見れば……」
「確かにそうですね……」
ドレミーの主張に二人は同意するのだった。──確かに今のこの場所は通路故に自由に動き回るには些か難儀しそうなのである。
漫画等では目を引くシチュエーションの為に狭い通路での戦いが繰り広げられる事も少なくない。
だが、現実の戦いではそうはいかないだろう。現に格闘技では充分なスペースの用意されたリングの上で執り行われるのである。
ましてや今から始まるのは飛び道具の使用が多い弾幕ごっこなのである。満足に開けた空間がなければ危険であろう。それが故のドレミーの提案であった。
「決まりみたいですね」
二人の同意も受けられて、ドレミーの案はここに決定したようであった。後は行動に移すのみである。
呟いた後、ドレミーはおもむろにパチンと指を鳴らした。
「あ、いいなぁ〜。指が鳴るなんて……」
それを高嶺の花と渇望の眼差しで見つめながら勇美は呟いた。誰だって自分にはないものを持つ者は眩しく映るのである。例えしょうのない事であっても、である。
「いえ、そこまで羨ましがる事でもないでしょう……」
「いえ、私に取っては死活問題です」
「そこまでムキにならなくても……まあ、『そろそろ』ですよ」
「?」
勇美がドレミーの言葉に首を傾げるのと同時であった。今いる通路が突如としてウネウネと蠢き始めたのだ。
そして、通路の幅と高さはみるみる内に増していき、気付けばそれは体
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