第三章 リベン珠
第11話 イサミ・クロガネと秘密の通路:後編
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、全く無駄のない動作でそれを撃ち落としたのである。
そして、その機体も四散して砂へと還っていった。
楽勝。そう思われた時、残ったもう一体の様子が変化した。この機体もエネルギー弾を撃って応戦してくるのかと思われていた矢先、突然パカリと全体を開くかのように内部を展開したのである。
その内部から、全体を構成する物とは異質な機械の物体が投げ出されていった。それを見て勇美は「まずい」と思ったのだ。それだけ見ただけでその物体が危険な代物だと分かる、そのような得体の知れなさがそこには存在していたのだった。
そのように思った勇美は弾かれるように、相方の鈴仙に対して呼び掛けていた。
「鈴仙さん!」
「いい判断ですね、ここは私に任せて下さい!」
息の合ったその掛け合いをした後、鈴仙はその赤い瞳を更に赤く光らせたのである。
すると、投げ出されたその物体の起動が180度変わり、放った本体そのものへ目掛けて飛んでいったのである。
そして、物体が本体にコツンと触れた次の瞬間。小規模ながらも強かな爆発がそこには起こったのだった。
このように、先程放たれた物体は爆弾だったのだ。そのような物に銃撃などしていれば二人はひとたまりもなかっただろう。
そして、一頻り爆発が終わると二人は話を始めた。
「勇美さん、いい読みをしていますね」
「鈴仙さんこそ頼りになりますね、心強いです」
それは優れた能力とそれを活かす者が掛け合わさり、その持ち味を120%発揮出来た事の証明であった。
今の自分達の絆はとても深から、この先もうまくいくだろう。そう勇美は思いを馳せるのだった。
その後、二人はとうとう第三の扉の前に辿り着いていた。後は野となれ山となれだろう。
「鈴仙さん、いよいよという事ですね」
「ええ、ここを越えれば月まで後僅かですよ」
泣いても笑っても目的の場所はすぐそこである。そう勇美は思いを馳せながら鈴仙と共にその扉を潜るのだった。
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