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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第11話 イサミ・クロガネと秘密の通路:後編
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知れないわね。だから、今のような『夢』で見るような光景が広がっているって訳」
「うぬぬ……分かるような、分からないようなですねぇ……」
 それが勇美の本音であった。精神世界と言われても、彼女には実感が出来ないのだから。
「無理に分かれとは言いませんよ。私でも今も完全には理解出来ていないのですから。それに、今はその事を考えている時じゃないでしょう?」
「あ、そうですね」
 鈴仙にその事を諭されて、勇美は意識が引き締まる思いとなった。そうであろう、今大切なのはこの場所の原理を理解する事ではなく、先に進む事なのだから。
 そう勇美は思い直し、鈴仙と共に先を急ぐのだった。
「それにしても……」
 その道中で勇美は言い始める。今のこの道の事を気にする必要はないとはいえ、やはり彼女には信じられない事があったのだ。
「ここの通路で浴びられるお日様、とても夢か幻とは思えないんですよね」
 それが勇美が思う事であった。彼女の身を今優しく包んでいる陽の光、それがどうしても彼女には偽物とは感じられなかったのだった。
「確かにそうね。でも、それが『夢』ってものでしょう?」
 勇美の疑問に対して鈴仙は丁寧に答えた。そして、彼女の言い分こそ的を得ているというものだろう。生き物なら誰しも夢の中でそれを夢だと認識出来ているという事はないのだから。つまり、その事が今の陽の差し込みを夢の産物と思えないからくりの答えなのである。
「言われてみればそうですね。でも、この心地よさは偽物にしておくのは勿体ないですね。なのでせめてこの心地よさだけでも味わっておきたいので、ここでパンツ脱いでいいですか?」
「ダメです」
 すっぱりと断る鈴仙は、最早慣れたものだと思うのだった。そして、慣れてしまう自分もどうかと思うのである。
 そんなしょうもない葛藤に苛まれる中、勇美は平然と言う。
「何を言っているんですか鈴仙さん、これは謂わば夢の中なんだから、夢でくらいパンツ脱いでもいいでしょう?」
「その理屈はおかしい。しかも、実際に私達が夢の中にいる訳じゃないんですから」
 そして、鈴仙の賢明の説得により、無事に勇美の野望は潰えたのだった。
 その後、何事もなかったかのように二人は先を進んでいた。相変わらず花畑の光景は美しいが、それも代わり映えしない程続いていったので感じる刺激も少なくなっていた。それだけ生き物というのは慣れるのが早いのである。
 そして、第三の扉が目前に迫ろうかとしている所で、再び招かれざる客が到来したのだ。そう、先程の分子構造のような機械である。
 しかも、今度はそれが二体で現れたのである。少し面倒かと思いつつも、二人は臨戦態勢を取る。
「プレアデスガン!」
「ルナティックガン!」
 二人は息もピッタリといった様相で、まずは機械の内一体に狙いを定め
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