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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
078話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その5
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悲鳴の聞こえた方へと向かっていく士郎さんと凛さん。
そして辿り着いた先には一人の女子生徒がおそらく非常口あたりで気を失って倒れていた。
見た感じ、ただの気絶の様に見えるけどそこで凛さんが語った。

『ただの気絶じゃないわ。魔力の源……生命力を抜かれているわ。このまま放っておくと死ぬわよ?』

うわぁ……いきなりやばめな展開になってきたじゃん?
さっきまでのまるで夫婦漫才かのような争いよりもこっちの方が現実感あるね。
それで凜さんはしょうがないと言わんばかりに宝石を出して治療を始めているんだけど、空いているドアが気が散るというので士郎さんがドアを閉めようとした瞬間だった。

『ッ!?』

一瞬にして表情が強張る士郎さん。
目線の先にはドアの隙間へと向かってくる釘のようなもの。
狙いは意識を集中している凛さん。

「あ、危ないッ!!」

ネギ君が叫ぶのが分かるんだから士郎さんも気づいているはずだ。
だけど対抗手段がない士郎さんが取れる手は限られている。
それは……。

『ぐあああッ!!』

士郎さんは迷わず自分の腕を犠牲にして代わりに腕に釘が突き刺さっていた。
凜さんが士郎さんの事をいたわる言葉を掛けるも、士郎さんは痛みに耐えつつ釘が向かってきた方へと向かっていった。

「危険です……魔術もまだ碌に使えない士郎さんがわざわざ敵の懐に向かうだなんて……」
「って、言っても過去の士郎さんにもし言葉が伝えられても「それでも!」って感じで行っちゃうだろうねぇー」

夕映っちがそう言って朝倉もそう言う。
だけど、凛さんが治療を続けている以上、いまはサーヴァントがいないので士郎さんが対処しないと事は始まらないしなぁ。
追っていった士郎さんは弓道場の奥の森の中へと入っていく。
まさか、バーサーカークラスみたいなのがまた出てくるとも限らないけど、それでも危険な行為だよねー。
セイバーさん呼んだ方が得策だけど、令呪も三つまでしか使えないし乱発できないのが欠点だよね。
さて、蛇が出か邪が出るか。マジモンの蛇が出てきたらウケるけど。

森の中を進んでいく最中で、どこからか一瞬男の含み笑いが聞こえてきたけど……今の、聞き違いでなければ……。

『慎二……?』

士郎さんは慎二さんがいるであろう方へと歩こうとして、先ほど釘が刺さった腕が思いっきり引っ張られる感覚とともに首を薄くなにかに斬られてしまっていた。
咳き込む士郎さんをよそに士郎さんの前には際どいボディスーツを着て眼帯をしている紫髪の女性の姿があった。
あれもサーヴァントなんだろうね?
でも、士郎さん?首、血が出てますけど大丈夫なのこれ……?
そして、士郎さんも士郎さんで素直にセイバーさんを呼べばいいのに意地を張って令呪は使わ
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