第一章
[2]次話
友達と出会って
アメリカマサチューセッツ州にアルサナという犬がいた、ブリーダーのところにいたがこのブリーダーは多頭飼いが崩壊して極めて劣悪な状況の中で生きていた。ダークブラウンの毛のグレードデンの雄犬だが。
保護されたそのブリーダーが飼っていた他の犬達と共に保護された彼を見て保護団体の人達は眉を顰めさせて言った。
「この子も酷いですね」
「ええ、物凄く痩せていますね」
「体重測ったらグレートデンの体重でなかったですし」
「酷い栄養失調で耳とかにも障害があって」
「酷い中にいたから心を閉ざして」
「人を避けますね」
見れば団体の人達を見て怯えきっている、他の犬達もそうだったが彼も同じだった。
アルサナは兎に角団体の誰もを避けて近寄ろうともしなかった、完全に心を閉ざしていつも悲しい顔をしていた。
だが団体の人達は犬達の里親を探していた、そしてアルサナもピッツェーという家に貰われることになった。アフリカ系の中年の夫婦だった。
夫のルーサーも妻のカラもアルサナを見てすぐに言った。
「これはまた酷い目に遭ってきたんですね」
「他の子達もそうですが」
「とても痩せて怯えきっていて」
「私達にも近寄ろうともしなくて」
「こんなに悲しい目をして」
「これまで本当に悲しい思いをしてきたんですね」
「はい、ですから」
それでとだ、スタッフの人は夫婦に話した。
「この子を何があってもです」
「幸せにですね」
「そうして欲しいですね」
「お願いします」
夫婦に頼み込んだ。
「どうか」
「はい、そのつもりです」
「もううちには二匹いますし」
犬達がというのだ。
「二匹共とてもいい子達ですから」
「その子達もいますし」
「その子達も絶対に優しくしてくれますし」
「安心して下さい」
「それでお願いします、誰もは幸せになるべきですが」
それでもとだ、団体の人は夫婦にさらに言った。
「辛い苦しい思いをしてきた子は」
「尚更ですね」
「そうあるべきですよね」
「ですからどうかお願いします」
夫婦に何度も頼み込んだ、その心は夫婦にも伝わった。それで夫婦は怯えきっていて自分達を悪魔でも観る様な目になっていて逃げようとする彼をだった。
優しく撫でてそうしてから家に連れて帰った、家に連れて帰ってもアルサナは怯えたままだった。だが。
家の雄のドーベルマンのウィード彼と同じグレートデンで色も耳の形も非常によく似ている雄のベンもだった。
家に入るとすぐに隅に言って周りを怯えきっている目で見ていてがたがた震えている彼をずっと優しい目で見ていて。
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ