第三章
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「ベラは」
「そうね、凄く大事にしてるわ」
五歳の娘のレオノーラも言った、髪と目は母のもので肌と顔立ちは父に似ている。
「この娘は」
「じゃあ僕達も大事にしよう」
「ぬいぐるみもね」
「ベラが大事にしているなら」
「そうしてあげましょう」
「是非な。何時か元気になる」
心を開いてくれるとだ、ジムは子供達にも言った。
「だから毎日優しくしよう」
「わかったよ」
「私達皆でね」
「そうするんだ」
ベラを見て言った、だがベラは家族に近寄ろうとしなかった。
家族はそんな彼女にいつも優しくした、ご飯をそっと傍に置いて優しい声をかけ何がなくても
褒めた。
そしてぬいぐるみも大事にした。そしてだった。
彼女もぬいぐるみも可愛がった、まさに本物の姉妹の様に。そしてある日だった。
ジムはおやつとしてベラの前に犬用のビスケットを置いた、すると。
「クゥ〜〜ン」
「あっ」
ジムは見た、これまでずっと縮こまっていてトイレの時以外は立ち上がろうとしなかったベラがだった。
立ち上がってビスケットまで近寄って食べた、それを見てだった。ジムは彼女に笑顔を向けて優しい顔で褒めた。
「ベラ、偉いぞ」
「ワン?」
「ご飯を食べられたな」
こう言って褒めた、そしてだった。
ベラがご飯を食べる度に褒めた、するとベラは次第に家族に安心感を抱き。
ぬいぐるみの傍だけでなく家族の傍にも寄る様になった。そして家族と一緒に散歩にも行く様になり。
家族を見ると尻尾を振る様になった、ジェニファーは兄からその話を聞いて言った。
「よかったわね」
「ああ、もう悲しい顔もな」
それもとだ、兄は話した。
「もうね」
「しないのね」
「そうなった」
「そうなのね」
「よかったよ」
「私も話を聞いて思ったわ」
「そうか、団体の人達にもお話したけれど」
ベラがかつていたそこにというのだ。
「そうしたら喜んでくれたよ」
「当然よ。あんな悲しい顔をした娘がそうでなくなったらね」
「喜んでくれるか」
「心ある人ならね」
「そういうことだな」
「ええ、それでだけれど」
ジェニファーはさらに言った。
「ぬいぐるみは今もあるわね」
「大丈夫だよ、あの娘は今も寝る時はぬいぐるみを抱き締めているけれど」
テディーベアのそれをというのだ。
「絶対に噛んだりしないから」
「大丈夫なのね」
「ただこの前汚くなったからあの娘が寝ている間にこっそり取って洗濯して乾かして傍に戻したけれど」
「どうなったの?」
「匂いが違ったのがわかって困ってたよ」
「犬のお鼻は敏感だし」
「そうなったよ」
妹に笑って話した。
「すぐに慣れたけれどね」
「それは仕方ないわね、けれどあの娘もぬいぐるみも健在ね」
「今
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