第三章
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「愛着湧いたのよ、お父さんもお母さんもお姉ちゃんも」
「それでなの」
「そう、私もで」
それでというのだ。
「一緒になの」
「暮らすことにしたの」
「家族としてね」
「変わったのね、考えが」
「ええ、すっかりね」
「そういえば」
由美はここでその猫を見た、見れば。
最初に見た時は白猫だった、それが。
黒いのは目だけだったが耳の辺りが黒くなっていた、そして目の周りや背中や尻尾にもだった。
僅かだが黒い毛が見られた、由美はその猫を見て言った。
「何か黒くね」
「なってきてる部分があるわね」
「猫ちゃんも変わったのね」
「そうなの、白猫と思ったら」
「黒い部分も出て来てるわね」
「面白いわよね」
「こんなこともあるのね」
今は喉を鳴らしているその猫を見て言った。
「そうなのね」
「私達も驚いてるわ」
はるかも彼女の家族もというのだ。
「本当にね」
「それはわかるわ、こういうこともあるのね」
「そうよね、それで名前はピクセルにしたの」
「その名前にしたの」
「家族でくじ引きをしたらお姉ちゃんが名付け親になって」
それでというのだ。
「お姉ちゃんがそう名付けたの」
「そうなのね」
「そう、一緒にいたら」
里親を探すつもりだったがとだ、はるかは笑って話した。
「ついついね」
「情が移ったのね」
「そう、この子に負けたわ」
「ニャ〜〜〜」
ピクセルはここで鳴いた、由美はそんな彼を見て笑顔になった。その後はピクセルのことをあれこれと話した。
そして二月後はるかから受け取ったあるメールを見て由美はまた彼女に家に来た、そして新たな家族となった三毛の雌猫を見て言った。大きさはピクセルと同じ位だ。ただピクセルはもう顔の左右と背中そして尻尾が黒くなっていた。はじめて見た時とはそこが違っていた。
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