第二章
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「この子については」
「そうですね、うち皆生きもの好きですし」
それでとだ、はるかも答えた。
「暫くの間なら」
「ではお願いします、運ぶ為のケースをお渡ししますので」
「はい、うちに連れて帰ります」
「その子を宜しくお願いします」
こう話してだった。
はるかはスタッフの人から猫を収容するケースを貰ってだった。
そこに子猫、見れば雄である彼を入れてだった。由美と共に家に向かった。そして家の前に着いた時にそこで別れる由美に言った。
「じゃあこれからね」
「その娘はね」
「うちで暫く預かって」
そうしてというのだ。
「里親探すわ」
「そうするのね」
「きっとすぐに見付かるわ。だから名前はね」
それはというと。
「もうね」
「いいのね」
「ええ、里親の人が付けてくれるから」
すぐに見付かるであろう人がというのだ。
「だからね」
「いいのね」
「ええ、ちょっとの間だからね。けれどそのちょっとの間でも大事にするわ」
「大切な命だからね」
「命を粗末にする人なんて駄目だから」
絶対にというのだ、このことは。
「だからね」
「それでよね」
「命は大切にして」
そしてというのだ。
「里親の人探すわ」
「そうしてね、じゃあ私もお家に帰るから」
「また一緒にね」
「旅行しましょう」
自転車でのそれをとだ、二人で話してだった。
はるかは自分の家に帰る由美を玄関で見送った、そのうえで。
家に帰って家族に事情を話すと家族もそれならと頷いた、こうしてはるかは猫を家に入れたが暫くしてだった。
はるかは家に遊びに来た由美にこう言った。
「あのね、この子に名前付けたの」
「えっ、名前は確か」
由美ははるかが膝の上に置いているその猫を見て驚きの声をあげた。リビングでソファーに向かい合って座っている。
「付けないんじゃ」
「すぐに里親さんが見付かるから」
「そうよね」
「それが暫く一緒にいて育てていたら」
そうしていたらとだ、はるかは話した。
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