四十五 因縁の相手
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めた。
先ほど、首切り包丁の猛攻を受ける際、角都は硬化の術を使った。
相性不利だと再不斬も言っていたので、間違いないだろう。
皮膚を硬化し、圧倒的な防御力を付与する術は土遁の使い手でないと、首切り包丁の鋭利な攻撃を受けきれない。
(つまり、相手は土遁と水遁…二つのチャクラ性質を持っているということか…?)
そう分析するシカマルだが、あの背中から生えていたお面が妙に気にかかる。
違和感を覚えるシカマルの視線の先で、角都は飛段のほうへ足を向けようとし────反射的に地面を蹴った。
それが功を奏した。
「ぐ…!?」
「チィ…ッ」
角都の背中。その服を鋭利な刃物が裂く。
その合間から、先ほどのお面同様、四つの面が垣間見えた。
「完全に不意打ちだと思ったのによ」
首切り包丁で角都の背中の服を裂いた再不斬がチッ、と再び舌打ちする。
背後から斬りつけようとしたのに、切り裂いたのは服のみ。
「どんな勘してやがるんだ」
「…貴様よりはずっと長生きなんでな」
肩に首切り包丁を担いで嘆息する鬼人の無事な姿を見て、角都は軽く片眉をあげた。
長年の経験の差を暗に告げながら、角都は先ほど殺したはずの再不斬の首無し遺体を見る。
沈みゆく遺体。
かと思えば、それはバシャ…と音を立てて水と化した。
【水牢の術】を維持していた再不斬もまた、水分身だったと把握して、角都は剥き出しになった背中を隠すように、破れた服を羽織る。
だがシカマルは、四つの面があるその異様な背中を見逃さなかった。
「水分身か…鬼人ともあろうものが随分臆病なことだな」
「ハッ!慎重と言え。てめぇら『暁』の噂は色々聞いてるんでね。慎重すぎるくらいがちょうどいいってな」
頭を吹き飛ばした相手も水分身であり、本体は隙を窺っていたのだ。
死んだと思わせ、油断したところをすぐさま首切り包丁で背後を狙う。
しかし、それさえ上手くいかなかったことに、再不斬は苦虫を?み潰したような表情で、再三舌打ちした。
「さっさと終わらせろ」
霧の向こうをじっと透かし見るかのように、フードの存在は佇んでいる。
やがて、蹴り飛ばした相手がよろよろと此方へ向かってくるのを見て取って、彼は三刃の大鎌を飛段へ投げ渡した。
アスマの姿を見て、にんまりと口許に弧を描いた飛段は、フードを被った存在に仰々しい仕草でお辞儀してみせる。
「邪神様の仰せのままに」
呆れ
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