四十五 因縁の相手
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燥感が窺えない相手に再不斬が違和感を覚えると同時に、角都の背中がボコリと蠢く。
ソレは、薄気味悪いお面。
お面は、角都の肩越しにパカリと口を開いた。
「窮鼠猫を?む、とも言うだろう」
袋の中の鼠と称した再不斬目掛けて、水球の内から高密度の水遁の術が放たれる。
水球に触れていなければ維持できぬ水牢。
その術者の顔が驚きに歪んだ。
直後、ぱァん…と再不斬の顔が弾け飛ぶ。
首無しの術者が崩れ落ちたその瞬間、水牢も弾け飛んで水飛沫を撒き散らした。
「「「な…!?」」」
突然の出来事に、シカマルも、そしてコテツ・イズモも反応できない。
術者の頭を吹き飛ばした囚人は、牢から出るや否や、やっちまった…という表情を浮かべた。
「顔がなければ金が貰えんではないか…」
殺して換金するつもりだったのに、顔がわからなければ本当に賞金首かどうか判断できないので、換金してもらえないだろう。首無しの遺体を換金所へ持っていったところで、首を横に振られるのがオチだ。
しまった…と至極残念そうに溜息をつく角都は、金のことしか頭にないようで、今し方殺した相手を一瞥すらしない。
「嘘だろ…あの桃地再不斬が…」
「鬼人がこうもあっさりやられるとは…」
愕然とするイズモとコテツの傍ら、シカマルは冷静に分析していた。
(あの【水牢の術】は確か波の国でカカシ先生も脱出するのに手を焼いたと聞く…それを内側から破るとは…)
以前、波の国での任務に赴いたナルから事の顛末を聞いていたシカマルは、思案顔で角都を観察する。
波の国では、カカシが再不斬によって【水牢の術】に閉じ込められ自力での脱出が不可能という危機的状況に陥ったという。
ナルとサスケの機転で水牢から脱出し、その危機的状況からも脱したという話であったが、要するに閉じ込められてしまったら、外部からの助け無しでは、あのカカシでさえも脱出不可能だという厄介な術のはずだ。
それがこうもあっさり破られるとは、とシカマルは角都の様子を注意深く観察する。
【水牢の術】は術者が触れていなければ維持できない。
故に、水球に手を触れていた再不斬は至近距離から攻撃を受けてしまった。
つまりそれは、本来、内側から抉じ開けられない脱出不可能の術であるという自信のあらわれだ。
それをあっさり破ったとなると、水球の内側の水を用いて、水遁の術を使ったのだろうか。
そうなるとかなり高度で高密度な術だと言える。
肩からボコリと生えたお面が再び背中に戻ってゆくのを目の当たりにして、シカマルは眉を顰
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