アルティメットルパン
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が、今回の目的である手裏剣の置物は、今の衝撃により宙を舞っていた。
「しまった!」
ルパンが慌てて手裏剣を取ろうとジャンプする。だが、それよりも早く、白い影が手裏剣を掠め取った。
「やった!」
御刀、千鳥を携えた可奈美。彼女はそのまま宙返りをして友奈の隣に着地した。
「確かに、返してもらったよ」
可奈美はにっこりと笑顔で、手裏剣を手玉に取る。
「可奈美ちゃん……!」
「遅れてごめんね。探すのに、少し手こずっちゃった」
「ううん! 万々歳だよ!」
友奈は両手を叩いて飛び跳ねる。
すると、ルパンは「お見事」と手を叩いた。
「まだ俺を倒すには程遠い。が、君の根性を認め、それは君たちに返してあげよう」
「……あ」
「待って!」
そのまま去ろうとするルパンへ、友奈が呼びかける。
「貴方、コエムシに呼ばれた処刑人なんでしょ? その……これからどうするの?」
「どうするもない。俺は自らの人生に悔いを残してなどいない。もとより生きる願いもない。ならばせめて、そのお宝が導く破滅を回避してやろうと思ったのだが……どうやら、俺がする必要もないのかもしれないな」
「破滅?」
可奈美が首を傾げた。
「リゼちゃんの家の置物が、世界を破滅させるっていうこと?」
「ふむ。君がどうやらマスターのようだな。ならば、サーヴァントの少女よ。君は、この世界に召喚されるにあたり、この世界の情報はある程度インプットされているのだろう?」
「? う、うん」
ルパンの言葉に、友奈は頷いた。
「それは古代の滅びた文明の遺産であり、この世界に蘇ってはいけないものへのカギなのだよ。それを破壊することをお勧めする」
「そんなことはさせない」
突如、驚くほど低い声が響いた。
「え?」
「誰?」
ルパンではない。
友奈は、声の発生源を探した。
だが、その姿は見つからず、その低い声は続いた。
「それは、オレがいただく。オレが持つべきものだ」
冷たい声。
「怪盗さん、これはあなたなの?」
「ふむ。この世界に俺の知り合いなどいない。これはどうやら、第三者のようだ」
ルパンが分析した。友奈と可奈美は顔を合わせた時。
「来る!」
可奈美が叫んだ。
そして、地響き。
目の前で登る煙の中、それは現れた。
「だ、誰……?」
黒い人物。顔には紫の大きなゴーグルがしてあり、その表情は分からない。右手は紫の煙が腕の形となっており、常に揺れ動くもやのようだった。立ち上がったその胸には、赤い紋章が刻まれている。
彼はルパンを、そして友奈と可奈美を見つめる。
そのゴーグルの下の目は、光の反射で見えな
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