アルティメットルパン
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ておらず、同じ見滝原とは思えないほどにゴミが散乱している。
「ふむ。どうしてもこれを返してほしいと」
「そうだよ。それは友達の家のものだからね」
「なるほど。……面白い」
友奈の姿を見て、怪盗は何を思ったのか、肩を震わせて笑い出す。
「面白い。君のようなものも、まだこの世界にいたのか。全く、退屈な世界に召喚されたと思ったが、少しは楽しめそうだ」
「……召喚された? もしかして、昨日コエムシが言っていた処刑人!?」
「む? 確かに俺は聖杯戦争に消極的なものを排除する命令を受けた処刑人だが……なるほど」
すると、怪盗の目が鋭くなる。
「君は、聖杯戦争の参加者か……とすれば、先ほどの彼女は、君のサーヴァントか」
「……そうだよ」
友奈が警戒しながら頷いた。
すると、怪盗はしばらく考えるように顎をしゃくり、
「なるほどなるほど。俺は、処刑人としての命令には興味がない。君たち参加者を殺せば生き返らせてくれるなどと言われたが、前回の青二才との戦いで、俺はもうこの世界には未練はない。だが……」
怪盗は、口元を歪めた。
「折角だ。俺に盗みを楽しませてくれたこの世界への謝礼として、この宝を排除し、簡単にこの世界を守ってやろうではないか」
「どういうこと?」
友奈の問いに、怪盗は盗品の手裏剣を懐に入れる。代わりに取り出したのは、金色の銃だった。銃口とトリガーカバーが持ち手を覆うようにできており、まるでメリケンサックのようでもあった。
「どうやら少しは戦えるようだ。ならば、少しばかり手荒な真似をしても、死ぬことはあるまい」
怪盗は、その銃口を押した。
『ルパン』
重い音声。同時に、メリケンサック___ルパンガンナーより、まるで仮面舞踏会でも行われるようなジャズ音楽が流れだした。怪盗がルパンガンナーを振ると、同時に金銀財宝の形をしたエネルギーが宙を舞う。
「うわっ!」
友奈は自らに攻めてきたエネルギーを殴り弾く。
そして、怪盗は告げた。
「変身!」
『ルパン』
ルパンガンナーをZの形に振り、集まったエネルギーが装甲となり、怪盗の体に装着されていく。
やがて白と黒の怪盗は、赤茶のスーツに宝石の形をした装甲を纏った戦士となる。黒いシルクハット、ちょび髭のようなマスク。
怪盗は両手を大きく広げた。
「俺は仮面……おっと。この名前はすでにあの男に返したのだったな。では、改めて名乗ろう。我が名は大怪盗、アルティメットルパン。この宝を処分し、この世界を守ってあげよう」
「アルティメット……ルパン?」
友奈は油断なく腰を落とす。
ルパンは友奈から視線を離さずに、どこからかミニカーを取り出した。ルパンガン
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