T La bambina da I'ARIA…
第012弾 バイト中でも、有事の場合は参加する。
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な」
兄さんは溜息混じりに答えた。
「兄さんの名でなんとかできないの?」
「不可能ではないが……それやると目つけられて俺が後々動きにくくなる」
「そっか……」
私の提案を兄さんは苦虫を潰した表情で答え、それを聞いた私は不満顔で答えた。
「だが、抵抗くらいはできるだろ」
提案した兄さんの顔は悪どい顔をしていた。
「抵抗?」
「そうだ。凪優がちょっと脅せばいいんだよ」
兄さんがトンデモ無いことを言い出した。
兄さんって公安所属なのによくもまぁそういう事を思いつくもんだ。
「うわ、いいの? 兄さんとは同業みたいな人達なんでしょ?」
「構わん。大体アイツ等は元々気に入らなかったしな」
「そう。なら遠慮なくやらせてもらうわ」
「ああ」
私の言葉に否定する事もなくGoサインを出す兄さん。
それを聞いた私は扉を開けて面会部屋内に入る。
「アリア…………!」
「時間だ!」
興奮するアリアを宥めようとアクリル板に身を乗り出すアリアの母親・神崎かなえさん。
それを管理官が羽交い締めするような形で引っ張り戻し、「あっ」とかなえさんが小さく喘ぐ。
「やめろッ! ママに乱暴するな!」
アリアはまるで小さな猛獣のように犬歯をむいて、その赤紫色の目を激昂させてアクリル板に飛びかかった。
だが、アクリル板はその透明さとは裏腹に厚く、固い。当然、少しも歪んだ形跡もなく、アリアを受け付けなかった。
かなえさんはアリアを心配そうな目で見ながら、管理官2人がかりで引き摺られるようにして運ばれて――行かせるわけがないでしょ? この私がそんなの許すと思ってんのか?
巫山戯んな☆……ちょっとだけ、ちょっとだけ殺気も込めておくか。
「あの、その手を離してくれませんか? (ニッコリ」
「なんだ、君は。どこから入ってきた? さっさと退出しなさい」
私の存在に気付いた管理官は私に退出を促した。
「やーなのですよ? なんで命令されなきゃいけないんですか」
「貴様、おちょくっているのか?!」
管理官の言葉にイラッときた私は殺気を強めた。
「誰が? 私がか? 戯言を。何故に《《格下の雑魚の命令を聞かなきゃいけないのかしら》》?」
「か、格下だと…………!?」
私の煽りに簡単に激昂する管理官達。おーおー、単純だねぇ……。メッチャやりやすいわぁ。
「そ、格下。過去に私・水無瀬凪優にボッコボコにされた人ですからね」
「「水無瀬…………」」
「「………………………………」」
「「………………………………」」
私の苗字を反芻する管理官達。
「「げぇ!? 水無瀬凪優ぅ!? あの、公安0課・水無瀬祐一郎の妹の
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