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八条学園騒動記
第六百二話 梅干しの魔力その十二

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「その他の探偵もな」
「熟知してるわ」
「連合の名の知れた探偵のシリーズは全部知っている」
「もうそれこそね」
「その中にカナダ発祥の探偵いる?」
 連合の名の知れた探偵達の中にというのだ。
「果たして」
「誰かいたか」
 テンボはあらためて言った。
「そんな人」
「そうだよね、カナダにも小説家や漫画家いてね」 
 そしてというのだ。
「それで推理ものもね」
「あるんだな」
「一つのジャンルとしてね、けれどね」
「連合ではか」
「知られていなくて」 
 それでというのだ。
「二人でもだよ」
「知らないか」
「そうだっていうのね」
「そういうことだよ、何でこうもね」
 トムは腕を組んで困った顔で言った。
「我が国は目立たないのかな」
「それならもうね」
 ジャッキーは嘆くトムに提案した。
「ヒールになる?」
「悪役になってなんだ」
「そう、連合の中でね」
「それで目立つんだ」
「エウロパみたいにね」 
 言うまでもなく連合の敵であり連合での最高にして最大の悪役である。高慢で尊大な敵としてやたら出て来る。
「なってみる?」
「プロレスの悪役みたいに」
「そうしたら?」
「ううん、その悪役になってもね」
「目立てないっていうの」
「ホラー映画もね」
 トムは今度はこちらの話をした。
「カナダのって目立てないから」
「そうなの」
「思いきり積み重ねて最後でぶち壊す」
「そんな作風なの」
「カナダのホラー映画はね」
 そうだとだ、トムはジャッキーに話した。
「そういうのが多いんだ」
「そうなのね」
「けれどその映画もね」
「注目されていないっていうのね」
「日本のもうじわじわと来る」 
 恐怖、それがだ。
「どんどん追い詰められる様な」
「日本はホラー映画でも有名だしね」
「そのホラー映画もってね」
 その様にというのだ。
「言われること自体がね」
「いいっていうのね」
「もうマウリア映画なんかホラーでもね」
「普通に踊ってるな」
 テンボが答えた。
「何かあったらな」
「何処からか人がわらわら出て来てね」
「恐怖の怨霊でも妖怪でもな」
「踊って歌うね」
「あの国の映画はな」
「推理でもね」 
 マウリア映画はこの時代でもそうした作風であるのだ。
「踊るね」
「歌ってな」
「そうした突き抜けたこともね」
「出来ないか」
「悪役になっても」
 ジャッキーの言う通りにだ。
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